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 初のソロツーリング!静岡・愛知・三重自転車の旅

7日目 (03/02/21/金)編

午前四時。携帯の電源ONアラームで目が覚めた。一瞬自分が何でこんな所にいるのか分からず「んあ??」だったが、すぐに理解。そうか、無事夜を明かせたのか・・。
夜中は1、2回ほど大型トラックが来た音で目が覚めたが、それ以外は安眠だった。無風で寒さも感じなかったから、考えようによっては良い寝床だったかもしれない。

外を見ると、まだ夜明け前で真っ暗。相変わらず強烈な風が吹いているが、昨日と違って走れないほどではなさそうだった。よし、出発だ。
交番の椅子に座って昨日の残りのパンを食べ、水を飲む。さすがにパワー不足の食事だから、途中で良いポイントを見つけたらラーメンでも作るか・・。


↑荷物を積み込み、出発前に。「伊良湖警官詰め所」よ、ありがとう。おかげで安眠できたよ。


あたりはまだ真っ暗だから、ヘッドライトとリアフラッシャーを装備。両方ともONにして走り出した。
アップダウンの続くまっすぐな道なのだが、車通りが全くない上に街灯のたぐいが一つもなく、ものすごい心細い道だった。時々風に吹かれてよろめきながらも、軽いギアでゆっくり走る。

心細い道を走りながら、今後の予定を考える。候補としては、
1)現在地から一番近い駅「三河田原」まで走り、そこから輪行で今日中に帰宅
2)今日一日走って、明日輪行で帰宅
が挙げられた。疲れもだいぶ溜まってきていて、正直1を選ぼうかと思った。ただ、それだとどうも心細さに負けて逃げ帰った感じがしてしゃくだ・・。でもそろそろ帰ってもいいかな・・・。
なんてひたすら考えながら走り続ける。

1時間ほど走ったところで、とうとう決断の時がやってきた。道の分岐点になり、駅方面へ行くか、浜名湖方面へ行くか決めなければならない。
交差点脇の空き地で地図とにらめっこしながら、10分くらい考えていた。なかなか決まらず、ふと自分の荷物を眺めたときだった。
「・・・このまま帰ると余った食料が重くて邪魔だな・・。よし、今日明日で食いまくってから帰ろう!」
われながらメチャクチャな決定だが、実際カレーやら米やらが数食分余っていた。捨てるわけにもいかず、だからといって手でもって歩くのはかなり厳しい。いずれにせよ、逃げにふらついている自分の考えを続行に傾けてくれたのは残存食料だった。

決定したからには、まず腹ごしらえだ!と、道端の自転車道(廃道っぽい見た目)入り口にチャリを押し込み、ラーメンを制作開始。


↑ラーメン制作風景。相変わらずの魚肉ソーセージ突っ込み仕様。寒いときに外で暖かい食べ物、特にラーメンのような水蒸気があがる物を食うと、鼻水が出て仕方がない。
それにしても、いい加減「サッポロ一番味噌ラーメン」にも飽きてきた。5食パックで売っているから仕方がないんだけど、数種類のアソートで売ったって良いじゃないか・・。


交通量が増え始めた道路を通る車にじろじろ見られながらラーメンを食い、6:20に出発。だいぶ日も昇り、そろそろライトはいらなそうだ。リアのフラッシャーをはずし、サイドバックにしまう。

出走後、しばらく渥美半島の直線道路を走り続ける。今までの海岸線沿いの道路と違い、そこそこアップダウンがあってちょっと大変。何度かは計っていないから分からないが、結構冷え込んでつらかった。登りで汗をかき、ウインドブレーカのファスナーを開けると、下りで凍え死にそうになる・・という繰り返しをずっと続けて走る。こういうときに機能性下着とかゴアテックスみたいなのを着ていると良いんだろうな・・・なんて思うが、高くて手が出ないなぁ。ゴアジャケなんか、普通に俺の持っている服のどれよりも高いし(笑) カジュアルとして普段着られなくもないけどさ。

やがて「道の駅田原めっくんはうす」が見えてきた。あまり用はなかったので普段なら素通りするのだろうが、体が冷えていたので一休憩するか・・と入ってみた。
「道の駅田原めっくんはうす」は、渥美半島の観光情報案内所と野菜等の直売所にトイレをくっつけたような所。道の駅の設備評価としてはBランクだが、内容的にはAランクだろう。ひとまずトイレに入って外のベンチに腰を下ろし、これからのルートを地図で確認したりする。

トイレには掃除のおばさんが出入りしているし、野菜直売所や併設の花屋は準備中。「なんだ、ずいぶん営業開始がゆっくりしてるなぁ・・・」と思いつつ時計を見るとまだ8時ちょっと過ぎだった。周りがゆっくりしているのではなく、自分が朝早くから行動しすぎらしい・・・。

道の駅で営業準備中の野菜直売所(屋内)をうろうろしながら暖まっていたら、牛乳の自販機を発見した。なかなか見かけない瓶入りを販売するタイプ。何となく飲みたい気分になったので、「雪印コーヒー」を購入。


↑本当はコーヒー牛乳の方が良かったのだが、売り切れだったためこちらに。雪印は(メグミルク共に)ボイコット中なのだが、まぁ仕方あるまい。甘ったるいが、こういうときだとオイシイ。



↑道の駅にあるスタンプ。ちなみに、中心に描かれているのがこの道の駅のマスコットキャラ「めっくん」。
正直言って気持ち悪いのだが(!)。なんでも、ハートの体から新しい新芽が出て生命がうんたら・・とかいうイメージらしい。正直インフルエンザウイルスにしか見えないのは俺だけか?

なお、ここの観光案内施設に行くと、案内画面に3DCGで描かれたこやつが出てきて、「こんにちは!僕『めっくん』です!」とか言い出す。うーむ、ノーコメントだな。

謎キャラ「めっくん」に別れを告げ、隣のローソンでパン(例のアレ)を購入後、再び出発。


今回通った渥美半島の国道42号線は、自転車で走る分にはあまりおもしろくない道だ。海沿いを走っているのだが、防風林に遮られて海岸は見えない。ひたすら続く片側一車線追い越し禁止の道を漕ぎまくるしかないのだ。この日一日はあまり道路の写真がないのだが、たぶん見所が無くて撮らなかったんだと思う。(今となっては、一枚くらい撮っておけば良かったと後悔している。)

めっくんはうすを出発し、1時間ほど走った頃。やや上り坂が続き、暑くなったのでウインドブレーカの下に着ているフリースの服を脱ごうと道端に立ち止まった。
ついでにパンを食べながら地図を眺める。あまりさっきから距離が伸びていない。景色が単調なので走っている気にならず、また寝不足のせいで力も余り出ない。「まだここかよ・・・」とため息をついたりしていた。

すると、道端の商店からおばさんが出てきて、話しかけてきた。
どこから着たの?どこへ行くの?とありがちな話をしていると、「私の息子も高校生の頃はそうやって各地を旅行していたのよ。温かい飲み物でも飲みなさい」と自販機にお金を入れてくれた。もちろん初めは遠慮したが、あまり断るのも失礼だし、一本いただくことに。その自販機のラインナップ中、一番マッタリしてそうな「しるこドリンク」を選んだ。

「気を付けてね」と言った後、おばさんはまた商店の中へ戻っていった。せっかくアツアツなので、その場で飲んだしるこドリンク。しることは名ばかりで、しるこの上澄みを濾したようなさらさらした砂糖水だった。きっと普段飲んだらまずいと感じるだろうが、いろいろ疲れていた体にはなんだかすごい浸みた。

なんだか捨てたくなかったので、空き缶を後ろのゴムネットに挟み、自転車にまたがった。おばさんに頭を下げた後、手を振ってスタート。うーむ、気分的に軽くなったな。商店の名前も良く分からなかったので後からお礼が出来ないが、この場を借りて「おばさん、ありがとう」と伝えたい。


その後はしるこドリンクのおかげか、それとも本当に道が平坦になったのか知らないが順調な道のりだった。るんるん気分で走っていたら、いつの間にか静岡県の湖西市に入っていた。おばさんがしるこドリンクを買ってくれたのが10:15だったが、ふと時計を見るともうすぐ13:00。3時間近くも途中ボトルから水を飲む以外はノンストップで走り続けていたらしい。うーむ、おばさんに飲み物をおごってもらっただけでここまでパワーアップするとは、単純な俺だな。でも、旅の時はアレがすごいうれしいんだよな・・・なんて思ったりした。

そして13:10。浜名湖にかかる大きな橋へたどり着く。ここから先は、すでに自転車で通ってきた道だ。基本的には走ってきた道を戻るのはあまり好きじゃないので、このまま浜松駅まで行って輪行して帰るという手もあった。しかし、今日は「残存食料を食い尽くす」という重大任務があるため、そうもいかない。さて、どうするか。



↑そんなことを考えていたらお昼の時間な事に気がつき、橋の上の謎のスペースで昼食にした。あいかわらずラーメンとパン。いい加減野菜が食べたい。
この橋には「つり禁止」と書いてあったが、多数の釣り人が糸をたれていた。そんなところで俺はラーメンを作成してツルツル。釣り人たちはこっちを見てくるが、少なくとも「飯作って食うな」と書いてないから俺の方が有利だぞ!ハッハー!と無駄なことを考えてみたり。

橋の真横を新幹線の線路が走っていて、時々新幹線が通る。ぼけーっと「あー、明日はアレに乗って帰るんだな・・」と考えながら地図を見て今日の野宿地の検討をしていた。
浜名湖畔は風が強いのが数日前に通ったとき分かったし、なによりもホームレスが俺と似たようなテントを張っているのを目撃してしまったので、ちょっと泊まるわけにはいかない。
このさいちょっと頑張って自転車道沿いにある休憩所を狙うか・・と考えていたら、地図の「天竜川」に○が付けてあることに気がついた。そういえば、初日におじさんが「竜洋海洋公園で野宿できるよ」と教えてくれたような・・・・。せっかく教えてくれたんだし、これは行ってみなければ!

13:30に片づけを終え、出発。天竜川まではもう走った道なので、すこし浜松駅方面を遠回りするルートをとった。やや内陸の県道を使ったのだが、完全な生活道路で苦労した。チャリ、歩行者、車とすべてが多く、あまり状態の良くない舗装がなかなか体に堪えた。


↑途中に寄ったコンビニで。改めて眺めると、すごい荷物だよな・・・。正直、たった1週間程度の旅に俺は物を色々持って行き過ぎなのかもしれないと思った。なんというか、大げさだよな。
冬だから衣類がかさばるのは仕方ないのだが、食料関連はもう少し省いても良さそうだ。夏は出来れば前のサイドバッグはおいていけると良いのだが。

そしてラーメン橋(かってに命名)を出発して2:30後、16:00に竜洋海洋公園についた。

最初に目についたのは、サイト一つずつに流し台と水場があり、綺麗に手入れされた芝生が広がった「ありがちオートキャンプ場」だった。値段こそ調べいないが、おそらく一泊4000円とかそういうレベルの所だろう。こんな所に俺が泊まるはずもないが、ちょっとだけイヤな予感。まさかあのおじさんはここを指して「野宿できる」と言ったのだろうか・・。

でも、それも取り越し苦労だった。
キャンプ場の裏手が本物の「竜洋海洋公園」で、キャンプ場はそこに併設された物らしかった。
竜洋海洋公園は各種のアスレチックがあり、良く整備された綺麗な公園だった。人も全くいないし、近くを道路も通っていない。ちょっと奥には芝生の広場(テントを張るのに最高!)があり、超ナイス野宿ポイントだ。ありがとう初日のおじさん!今夜はよく眠れそうです!

到着したのは4時だったので、しばらく公園内を散策してみた。人気は全くないのだが、巨大な風力発電機が一機あり、そいつの動く「グオングオン」という音が響く。


↑川に面したデッキで日が暮れるのを待つ。とても静かな、良いところだ。
銀マットの後ろに付けてあるのが、おばさんがおごってくれたしるこドリンクの空き缶。


のんびりしつつ地図を広げ、明日の予定を立てる。と言っても、明日はここから浜松駅まで帰るだけだから道はあまり関係ないのだが。
さて、浜松からはどうやって帰ろうか。長距離切符だけにして鈍行で帰るか、それとも新幹線でびゅびゅーっと帰ってしまうか・・・。明日は朝から行動するから、前者でも大丈夫だが、疲れるしなぁ。
あと、なんだか雲が多くなってきたけど、明日は雨が降るのだろうか?うーむ。

いろいろと情報不足で悩む。ラジオを持ってきてはいるのだが、なかなか良いタイミングで天気予報はやっていないし、電車の料金をメモった紙は二日目の雨でびしょびしょになり、ゴミと化してしまったので読みとり不能だ。

ここでちょっと思いつく。「そうだ、もしかしたら掲示板に書き込めば、誰か調べてくれないかな?」と。
そういうわけで、書き込み。

by まごころ

詳細は後ほど。どなたか「静岡県浜松市の明日の天気」「浜松から小田原まで新幹線使った時の料金」「新幹線使わない場合の所用時間」を調べて書き込んでくれませんか?
yahooと駅すぱあとで分かると思うんだけど。
よろしくです!

..2003/ 2/21(Fri)16:38

書き込みを終え、もうすぐ日が暮れそうになってきたのでテントを設営。のんびりと米を仕込み、夕日を眺めつつご飯を炊いた。ああ、延泊してよかったな。すごいのんびりした良い時間だ。


と、突然携帯から着信音が。普段は電源をOFFにしている携帯だが、さきほど書き込みしたときに切り忘れたらしい。「なな、なんだ?」と表示を見ると、見慣れない番号。ひとまず出てみると、献血のお願いだった。
俺はO型Rh-というまぁ比較的少ない血液型なので、結構頻繁に電話がかかってくるのだが、まさか野宿先で飯を炊いているときにかかってくるとは・・・。
今「旅行中(笑)」で献血は無理だけど、明後日ならOKと伝えて電話を切った。ふぅ、帰ってから行かなきゃな。



↑食事はいつもの通りカレー。

カレーを食べつつ掲示板をチェックすると、おぉ、書き込みがある!

by 野宿営業マン

浜松ー小田原
新幹線   5860円  52分
普通only  2940円 172分
普通+特急 4600円 148分(静岡から特急乗り換え)
上記すべて乗車時間です。

天気
2月22日(土)
曇りのち雨
予想気温 最低3℃ 最高10℃
風: 北西→西
降水確率(%) 10   10   ---   ---
時間帯(時)  0-6 6-12 12-18 18-24


..2003/ 2/21(Fri)17:52

どうせ四六時中パソコンにへばりついている俺の友人の誰かが答えてくれるだろう・・・くらいにしか思っていなかったが、まさか見知らぬ人から書き込みがあるとは!
内容も求めていた情報はほぼ完璧で文句なしだったし、なにより携帯で見たときに見やすくて驚いた。感謝しています。>>野宿営業マンさん

この後に自分の親父も書き込みをしてくれて、それぞれ参考にしつつ明日の予定を立てる。まず、雨の心配に関しては、午前中はギリギリ持ちそうなので安心。よし、今日はテントで寝るか。
交通手段に関しては意外と新幹線が安かったので、学生2割引も聞くことだし、新幹線を利用することにした。

のんびり片づけを終えて、テントに潜り込む。時間は8時ごろだった。


↑テントに入る前に一枚撮影。後ろの植え込みが良い感じに風を防いでくれて良い。野宿のくせに芝生のテントサイトとは、ベリーグッド。

周りの防風林の中からは、猫の争う鳴き声や、「グェッ、グェッ」という汚い謎の鳥の鳴き声が聞こえてきたが、それ以外はいたって静か。風力発電機もいつの間にか止まっていた。夜間は停止するらしい。

いつも通り自転車の走行データや高度ログを書き写していると、突然眠気に襲われた。そういえば、今日はあんまし寝てないんだっけ。寝てしまう前に急いで掲示板に書き込みをする。

by まごころ

野宿営業マンさん、ひょっとして「始めまして」ですか?情報ありがとうございました。もちろんF-まごころもね。
今日は静岡県竜洋町の竜洋海洋公園で野宿です。浜松駅まで15kmほどなので、明日ゆっくり行って電車で帰ろうと思います。
今日の野宿場所は変な鳥がギャアギャア鳴いている以外は完璧な場所。

あ、今日は会ったおばさんが飲物おごってくれました(笑)
いやあ、長くて短い七日間だ。まぁ、明日家に帰る迄が旅だから気をつけないとね。

無事に帰ったら旅行記ちゃんと書きますね。では、眠いのでおやすみ〜

..2003/ 2/21(Fri)20:25

書き込みを終え、シュラフに入ったらあっという間に眠りについた。ヘタをしたら御前崎のYHよりも寝心地が良かったかもしれない。明日は5:30起床予定。

走行距離 93.18km (累積546.63km)
平均速度 14.6km/h
最高速度 43.5km/h
純走行時間 
6:20:43

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