TOP野宿旅静岡・愛知・三重 自転車野宿一人旅

 初のソロツーリング!静岡・愛知・三重自転車の旅

3日目 (03/02/17/月)編

朝7時に目覚ましで起床。二段ベッドの下の段で寝ていたので、起きたときに目の前に上の段の板があってびっくりした。トイレをすませ、昨日余分に炊いたご飯が入ったコッヘルをつかんで下の階へ降りる。食事は頼んでないので、今日もお茶漬け。

相変わらずまずいお茶漬けを食っていたら、上から昨日のチャリ2人組が降りてきた。男で、俺と同じくらいの年。朝食を頼んでいたらしく、朝からうまそうなご飯を食べていやがる。フンだ。

特に話しかけられるわけでもないので、こちらから話しかけてみた。
東京から来て、昨日到着が遅かったのは雨が止んでから走り始めたからだそうな。年齢は俺と同じで、某有名私大生だった。なぜか俺が旅先で会う大学生って名門の人が多い。謎だ・・・。
俺と喋りたくないのか、それとも二人だけの世界なのか、それとも単に喋るのが嫌いなのかどうかは分からないけど、ほとんど会話が進まない。俺が聞くと、それに対して一言答えるくらい。どうせ俺は粗食のお茶漬けを食う身。さっさと食べ終わって、おひつからご飯を取って食べる彼らに「がんばってください」と声を掛けてから部屋へ戻り出発の準備をすることにした。

せっかく同じチャリダーだから色々聞きたかったのだが、しょうがない。話すのが嫌いな人もいるし、俺は初対面の人に好かれるようなタイプでもないし。今日は晴れでコンディションも良から、さっさと出発して距離を稼ごう。気を取り直して準備に入る。

それにしても、荷物を取り付けるために自転車の所へ戻り、彼らの自転車を見てびっくりした。前日の夜に、スペシャライズドのボディージオメトリーというそこそこ高いMTB用サドルをわざわざ取り外してYHに持ち込んでいたから、「防犯に気を遣ってるんだなぁ。さぞかし良いチャリに乗っているんだろうなー良いなー」なんて思っていたのだが、見たらいわゆるルック車だった。
しかも買ったときについていたと思われるぶっとくてゴツいブロックタイヤがついていた。うーむ、これでオンロード走ると効率悪そう・・・。

毎日宿を取って泊まってると言っていたし自炊もしないらしいから、俺みたいなキャンピングツーリングじゃなくてどちらかというと「東京から○○まで行けるかやってみようぜ」って感じなのかな。まぁ、自転車も人それぞれ楽しみ方があるからな。
でも、ルック車といえど普通に走る分には何ら問題ないし、少なくとも内装三段変速のママチャリでツーリングしていた俺よりかはずっとマシだな。

そんなことを考えつつ、荷物を取り付け終わりYHの管理人さんに挨拶をしてから9時に出発。


↑YHの管理人さんと一緒に記念撮影。YHは初めてだったけど、良いところでした。こういうところにありがちな無駄にうるさい注意書きとかが無いし、海に関連したインテリアというか置物もセンスが良かった。
「御前崎ユースホステル」、おすすめです。ありがとう。


まず、ここから5分ほどの所にある御前崎灯台へ。

↑御前崎灯台。中に入って上まで上れるが、150円を要求されるので入らない。写真で言うところの左側あたりに無料の展望台があったので、そっちへ行った。



↑写真なので限界はあるけど、良い景色だった。俺にはこれで十分。これは名古屋の方角で、この下の道をまたずーっと走っていくことになる。この展望台には良くある落書きが多くて萎えるが、あんまり気にしないで出発。
ちなみに、良くある落書きとは「たくや&みか 来たよ!99/12/15」みたいなヤツ。あっそ・・・て感じ。

御前崎灯台前のおみやげ屋さんで準備中のおばちゃんと目が合い、ちょっと話す。「がんばってね」と言ってくれた。普通、おみやげ屋のおばちゃんってのはお金をたくさん落としていく観光客以外には最悪の態度なので、意外。いい人もいるもんだ。

まずはとにかく、上の写真に見える道を西へ。昨日雨に濡れた自転車だが、ちゃんとチェーンの水を拭き取ってオイル注しておいたから動きは特に問題なし。ただ、砂っぽいところを走るからブレーキに砂を噛み混んでしまってブレーキを掛けるとジョリジョリジョリーとうるさい。アンジェリーナ・ジョリー。リムもシューも削れてイヤなのだが、いくら取ってもすぐにつまるのでそのうちめんどくさくなって放置。どうせ安ブレーキだから、シューが減ったら買い換えてしまおう。リムは・・・しかたねーな(爆)

1時間ほど走ってたところにサークルKを見つけたので、昨日食べきってしまった行動食のパンを購入。お決まりのチョコチップスナックパンを・・・と思ったら売ってない。仕方ないから「レーズンバターロール」を買った。6個だか8個だか入っていて170円だったかな。まぁ似たようなもんだろう。レジにパンを出したとき、見ないようにしていた肉まんが目に入ってしまった。う・・・・。0.5秒ほど誘惑と戦ったが、あえなく敗戦。「あと、肉まん一つ」と言ってしまった(笑)寒いんですよ。だから暖かい物食べたいんですよ・・。
コンビニの裏手で食べていたら鳩がおこぼれを狙って寄ってきた。甘いな、君・・・と、こぼさず食べてあげた。

さっさと肉まんを食べ、パンを押しつぶしてバッグに詰め込み(食えればOKなのだ)、走り出す。途中浜岡原発の隣を通ったが、見えなかったので写真は撮らなかった。たぶん奥まったところまで行かないと見えないようになっているんだろうな。

そして再び太平洋岸自転車道へ。初日はひどい道だったが、二日目はそれなりに走れたから、今日も・・・と。
昨日泊まったYHに太平洋岸自転車道のパンフレットがあり、御前崎から浜名湖までの自転車道を地図に書き込んでおいたのだ。この自転車道はいろんな区間ごとに別れていて、良い道と悪い道の差がはっきりしている。特に計画初期に作られたと思われる道はひどい物だが、比較的新しくてきれいなところもあって難しい。



↑ここもまた、比較的新しいと思われる道。障害物や信号がないから走りやすくて良い。


↑そしてこんな所まで!爽快すぎですよ! 太平洋自転車道サイコー!!


・・・・なんて思ったのも、ほんのつかの間だった。俺はひとときのすばらしさにだまされた自分を呪った。




この光景を見るまでは・・・。



はい、埋まっています。そりゃさ、「遠州大砂丘」って地図に書いてあって、砂が多いのは分かるけどさ・・。でも、これはちょっとひどいんじゃないの?そもそも乗って走れないし。仕方なく押すんだけど、重い自転車は砂にめり込んでなかなか前へ進んでくれないし、ディレイラーは砂だらけで変速が悪くなるし・・・。

しかも、ここ一カ所だけならまだ許せる。この写真を撮ったのは最初の1回目なのだが、この100m先くらいで再び同じ状況に出くわす。それも渋々超えると、再び・・・・と、俺が通った10km弱の区間だけでも10箇所近くが砂に埋もれていた。ちょっと漕いでは降りて押す・・を繰り返すから全然距離は伸びない。
「自転車で走れない道に自転車道と名乗る資格はない!」などと一人で腹を立てながら、この自転車道から出る道を探すと、それも砂に埋まっていた。しかもそれまでよりさらに砂が深くて、自転車が動かせない・・・。
頭に来たので、かなり重くて持ち上げる気にもならない自転車を無理矢理担ぎ上げ、20mほど歩いておろした。


気を取り直してR150に戻り走り出す。結局1:30近くも自転車道でぐだぐだやっていた。あぁ、無駄な時間だ。R155は、R1と並んで愛知方面へ行くメインの道路。トラックが多くて怖いが、道幅は広いので特に問題はない。トラックの風圧で路肩に倒されそうになったり逆に道路に吸い込まれそうになったりするが、それさえ気を付けていれば比較的走りやすい道路だった。なんだ、初めからこの道路通ってりゃ良かったよ・・・。これ以降何度も「←太平洋岸自転車道」なんて書いてある標識があったが、見向きもしないで名古屋を目指した。

やがておなかも空いてきて、昼飯の時間になった。幹線道路沿いにお湯を沸かしてラーメンとかが作れそうなスペースが無いので、仕方なくコンビニでカップ麺を買い、ポットでお湯を入れてそこで食べた。ボリュームUPのため、魚肉ソーセージを切ってつっこむ。自分は正直魚肉ソーセージは嫌いなのだが、そこそこ安くて常温保存可能な肉類なので重宝している。
コンビニにやってくるいろいろな人にじろじろ見られながら手早くラーメンを食べ、再びR150へ。

これから数時間の間、浜名湖へ着くまで旅メモに何も記述がない。写真もないし記憶もあんまり残っていない。これはおそらく宇宙人に拉致されて記憶を消された・・・訳ではなく、特別特徴のない道をただまっすぐ走っていたからだろう。太めの幹線道路を走ると道に迷う心配が無くて良いのだが、その代わり新しい発見とかがないから一長一短だよな。



↑そして3:30、無事浜名湖着。
遮る物がないせいか、かなり風が強い。本当は三脚を立てて自分も入れて撮りたかったのだが、三脚が風で立たないので残念ながら自転車のみ。タイミングを狙えば何とかなるかもしれないけど、万一倒れたらカメラが壊れるからな。

と、湖畔のちょっとした休憩スペースに俺の持っているのに似ているツーリングテントが張ってあるのを見つけた。むむ、先客か?と思ったら手にビニール袋をぶら下げたホームレスが帰ってきた。なんだ・・・。
ただ、張り縄をしているとはいえこんだけの強風でもテントは大丈夫なのかーとわかり、今後のテント生活に安心感を与えてくれた(笑)
にしても、俺も自転車が無ければタダの浮浪者に間違われてもしょうがないよな。ただ、公園で野宿しているときに自転車を見て「あぁ、野宿旅してるのか」って思う人がはたしてどれだけいるだろうか・・。


そんなことを考えつつ、今日どこで泊まるかを地図を見ながら考える。初めは浜名湖で泊まるところを探すつもりだったが、時間はまだ早いし、あんまり落ち着いてテントを張れそうなところがないのでここは却下。しばらく地図を眺めていると、今いるところから西へ10kmほどの所に「湖西運動公園」というのがあるのを発見。この地図に載っているくらいだし、運動公園って言うくらいだから結構整備された大規模な公園が予想された。
あんまり整っているところでも寝にくいけど、大きさがあればそれだけ野宿スポットがある確率も高いし、よし、今日はここまで行って寝るところを探そう!と再びスタートを切った。


そして、若干迷いつつも道を案内する青看板に頼りつつ、何とか5時に湖西運動公園に到着。予想通り、サッカーグラウンド、野球場、散歩道などが整備された結構良い公園。ただ、管理棟と駐車場があり、夜10時に閉門と書いてあるところが引っかかる。管理棟がある良く整備された公園の場合、夜に見回りがあったりするのだ。いつぞやの小田原野宿の際は警備員さんの心遣いで一夜を明かすことができたが、ここでも万が一夜回りがあった場合、そううまくいくとは限らない。

でも、だ。もうすぐ日も暮れるし、この近くに泊まれそうなところも見あたらない。だったら、なるようになるさ!と、ここで野宿することに決定した。
かなり広い公園なので、自転車に乗ってぐるぐる回り良い野宿ポイントを探す。公園の案内図を見ると散歩道の途中に東屋があると書いてあったのだが、散歩道は自転車が入れないようバリケードがあるため却下。テニスコートや野球場の隅も検討したが、トイレ兼水場が遠くて良くない。
そんなこんなで、結局公園が見渡せる休憩スペース(ベンチあり)にすることにした。20mほどの所にトイレもあるし、まずまず。

中学・高校生くらいの年齢の少年たちがグラウンドでサッカーをしていて、向こうから見えるこの場所でテントを張るのは気がひいたので彼らが帰るまでベンチでゆったり。ちょっと寒いけど、メールの返事を書いたり明日あたりに泊まらせてもらう予定のYさんに電話を入れたり、地図の確認などをして過ごす。
野宿するときの「夕暮れ」ってのは、何とも言えない心細さと寂しさがあって不思議な感覚だ。だんだん日が沈んで暗くなっていき、公園なんかだと急に人がいなくなる。夜明けと共に起きて、日が沈んだら寝る・・・。人間本来の生活スタイルだよな。

6:30過ぎ。日が落ちてサッカー少年たちも帰っていった。さっそくご飯を炊き初め、炊いている間に手早くテントを設営する。比較的建てやすいテントなので、そんなに時間がかからない。
よほどのんびりした旅の時を除いて、野宿旅の間は「いかに効率よく行動するか」を常に考えている。これからやる必要のあることを思い浮かべ、どういう順番でやるか、やり残したことはないか・・・といつも考えて行動する。何もかも自分でやらなければならないからだろうけど、これが日常生活でできれば、もっと時間を有効に使えるんだろうな。

正直、この時点ではまだ見回りを恐れて「泊まれるかなぁ」なんてずっと考えていた。何となく見つかったらやばいな・・・なんて考えていたため、フラッシュを焚く必要のある写真は、この夜一枚も撮っていない。ただ、初日の大浜公園と比べて明かりはほとんど無く月明かりだけだし、なんかこっちをきょろきょろ伺いながら公園内を往復している人もいるし(ムム、怪しいやつめ!)、どちらかというと夜への恐怖の方が大きかったかもしれない。テント設営中に急にライトの電池が切れて(そうだと信じたい)明かりがプツっと切れたときなんか、勘弁してくれよ〜とつぶやいてしまった。

まぁ、こういう不安はほとんどの場合取り越し苦労になるんだけどね。
そして相変わらずのカレーを作って食い、スープを飲み、ちょっと足りなかったのでパンを食べ、8時にテントに潜り込んだ。掲示板に今日の予定等を書き込むときもライトの電気が漏れないよう気を遣ってしまう自分がいた。

by まごころ

今日は愛知県にちょっと及ばず静岡県湖西市の湖西運動公園で野宿です。
なんか見回りがありそうな気配で、もしかしたら追い出されるかも。そんときはまた書き込みます。
走行距離は80km。強烈な向かい風の中良く走ったわ。
明日はYさん宅を目指すけど100km近くあるから厳しいかも。まぁ適当に行くよ。
じゃあオヤスミ。
..2003/ 2/17(Mon)20:16


でも、相変わらずびくびくはしていたが初日と違っていろんな物音に悩まされることはなく、早くに睡眠に入れた。寝る直前になって、近くに壁に向かってボールを投げてはキャッチを繰り返す人が来たため「パコン・・・・パシッ」という音がずーっと繰り返されていたが、気にせず寝た。このころは、10時にあるかもしれない見回りなんか、もうどうでも良くなっていた。疲れによる眠気のおかげか、それとも慣れたのか・・・。それは分からないけどね。


走行距離 79.98km (累積216.46km)
平均速度
最高速度
純走行時間 
→間違えてリセットしてしまったので記録無し。


<2日目(03/02/16/日)編へ  4日目(03/02/18/火)編へ>
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送