TOP野宿旅TT250Rで行く! 北海道24日間の旅

 TT250Rで行く! 北海道24日間の旅


■18日目(04/09/07)編

◆台風接近◆

ちょっと早めの6:30に起床。空模様が怪しく今にも雨が降りそうだ。俺が北海道に来てから2発目の台風が、再び北海道を直撃するコースで迫ってきていた。

またもや「大型で非常に強い台風」なのでテントでやり過ごすのは無謀と判断し、連泊するのに手ごろなライダーハウスを探す。友人Kasuyanから旧萱野駅(きゅうかやのえき)というRHがお勧めだと聞いていたが、記憶も「たしか富良野周辺だったかなぁ・・」という程度で具体的な場所が分からない。

まぁこのまま南下したら札幌に行ってしまうし、ここは富良野を目指し、ついでに吹上温泉にでも寄るか・・・。そんな適当なプランニングで走ることにした。



朝食を食べていたらバイクにトンボがとまった。北海道にはもう秋の足音が聞こえる。台風も来ているけど・・。



結局俺しか泊まらなかった浜益海浜公園キャンプ場。


いつもより少し早めの8時にキャンプ場を出発し、ひたすら富良野方面へバイクを走らせる。途中見つけたホームセンターで安い三脚を購入し、それ以外は昼になるまでずっとバイクを走らせていた。今日はとにかく台風の避難場所を確保するまで落ち着かないのだ。



こんな車と一緒に10kmくらい走った。なんかヤダなぁ・・。


◆吹上温泉◆

わき目も振らず走り続けたおかげで昼過ぎには富良野にたどり着いてしまった。台風はどんどん近づいてきているが空は日が差し始め、もうしばらくは持ちこたえてくれそうだった。相変わらずRH「旧萱野駅」の場所は不明だが、ひとまず吹上露天の湯へ向かう。俺は詳しく知らないがドラマか何かで紹介されたらしく、かなりの知名度なんだとか。

駐輪場を見つけてバイクを停めると、温泉の方から家族連れが「これは入れねぇなぁ」「そうよねぇ、丸見えよねぇ」なんて話しながら戻ってくるのとすれ違った。さぞかしオープンな温泉なのだろうなぁとは思ったが、まぁ13日目の相泊温泉に比べたらどれもヘみたいなもんだろ。



確かに整備された温泉を予想すればびっくりするだろうが、少なくとも無料の天然露天風呂としては結構整備されているほうだと思う吹上温泉。湯船というか湯溜りが数箇所あり、それぞれ温度が違うので好みの所へ入る。しかし全体的に湯は熱め。
(ほかの入浴者が写ってしまったので修正)


さすが有名だけあって次から次へと人が来る。混浴で目隠しも何も無いのでなんか落ち着かず、冷えた体を温めたら早々に上がりバイクのところへ戻った。
着替えを積みなおしていたら、たまたま隣に駐輪していたファイアーブレード乗りがレーダー探知機をカウルにセットしていた。「これから飛ばすんですか?」と聞くと「宗谷まで行こうかなぁと思って」と言う。え?宗谷?!台風来てるのにマジかよ・・。

大型乗りはやっぱ違うなぁ・・なんて思いながら吹上を後にする俺だった。


◆季節はずれの富良野◆

友人Kasuyanから聞いたおぼろげな情報で旧萱野駅を探しながら富良野を見て回る。富良野と言うとラベンダー畑なんかが有名だが、この時期では完全にシーズンオフでどこを見てもただの草っ原か耕された畑だ。



うーむ。。。まぁ富良野っぽいといえばそうかもなぁ。



高台から。なんかシムシティーみたいだ。


そんなこんなで富良野をダラダラしていたら突然雨が降り出してしまった。もはや萱野駅がどうのとか言っている暇も無いようだ。ツーリングマップルを見ると今居る場所の近くに「宝来」というRHがあるようだ。名前からしてうさんくさいRHなのだが、雨も降ってきたし・・・と急いでバイクを走らせた。


◆怪しいRH宝来◆

ちょっとドキドキしながら着いたRH宝来は、見た目は比較的良さそうな感じのRHだった。バイクもガレージに入れられるのでこれからの台風をやり過ごすのに安心だ。コインランドリーもあるし、正面はコンビニ。こりゃーいいや〜とインターホンを押すと、かなり長い間待たされてからスーッと引き戸が開いた。

「??」と思いながら中をのぞくとおばあさんが一人立っている。目は合うが、おばあさんは無言だ。ひとまず泊まれるかどうかを聞くと「大丈夫よ・・どうぞ」と一言言って、おばあさんは2階へとスローモーションのような動きで上っていった。

なんだかよく分からないが着いて行く。このRHはもともと旅館か何かをやっていたところを改造したようで、客室が雑魚寝のRHとなっている。そのうちの一部屋に管理人の老夫婦が「住んで」いた。人の家に泊まってるんだかRHに泊まっているんだか分からない不思議なところである。

ひとまずお金を払って部屋へ案内されると先客が一人居た。俺と同じTT250Rに乗る人だった。俺が荷物を部屋に運び込んでいる間にSR400乗りも現れ、計3人で今日はこの部屋に泊まることになった。

RH「宝来」は全体的に怪しい雰囲気だが、いくつかエピソードを紹介しよう。


乾燥機の怪
コインランドリーで洗濯をした後乾燥機に洗濯物を入れ、30分100円と書いてあるので100円硬貨を2枚投入した。しかし20分ほど経ったときに確認のために見に行くと乾燥機が止まっているではないか。おいおい、100円で10分も動かないじゃねぇかよ・・・。

まさかと思って隣の乾燥機に洗濯物を移し100円を入れる。すると10分経っても止まることはなく動き続け、結局50分間動いていた。当たりと外れの乾燥機がある、それがRH宝来・・・。


照明の怪
なぜか知らないが全体的に薄暗いRH「宝来」。暗いと思って電気をつけても、気が付くと巡回しているおばあさんに電気を消されてしまうのだ。おばあさんが宿帳(というかノート)を持ってきて、名前を書いてくれと俺に渡したときもなぜかそれまで点いていた部屋の明かりを消すではないか。あのー、普通点けるんじゃないか?こういうときは・・。
トイレも流し台も廊下も部屋も全体的に薄暗い。それがRH宝来・・・。


風呂の怪
さすが元旅館(と思われる)だけあって、ボロいが比較的広い風呂場がある。風呂の準備が出来るとおばあさんが「お風呂入れますよ・・・」と言いに来てくれるのだが、言われてすぐに急いで入らないといつの間にか風呂に鍵をかけられてしまう。俺はすぐに入ったが、飯を食ってから入ろうとしたSR乗りさんは「行ったら鍵かかってました・・・」と悲しい目をして言った。
てきぱき行動しないとサービスは無い。それがRH宝来・・・。


こんな感じに怪しい雰囲気満点のRH宝来だが、
・一人当たりのスペースが比較的広い
・比較的人が少ない
・布団付き
・テレビたくさんある
・バイクはガレージに止められる
・風呂付1000円
・コンビニ近い
等RHとしてはかなり高得点である。この微妙なゆるい雰囲気になじめる人ならお得なRHとなるだろう。ちなみにTT250R乗りの「ひろ」さんはこの雰囲気が好きで毎年連泊しているとか。


初めは「ええ?!」の連続だった俺もしだいにこのゆるい雰囲気に慣れ始め、同宿の人たちと話をしながらテレビで台風情報をボーっと見る。風はどんどん強くなり、台風が近づいていることをアピールしていた。



走行距離:283km(累積2879km)
出費:7149円(累積49383円)



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