TOP野宿旅TT250Rで行く! 北海道24日間の旅

 TT250Rで行く! 北海道24日間の旅


■13日目(04/09/02)編

◆だらけた朝◆

朝7時、テントを照らす朝日の暑さで目を覚ました。まだまだ眠いので二度寝したが暑さに耐え切れず8時に起床。北海道で9月とはいえまだ夏。朝日は寝坊を許してくれない。

インスタント味噌ラーメンに卵を入れ、パンやグリーン豆などと一緒に朝食とする。昨日の夜書き途中で寝てしまった旅行記を書き、今日はどうしようかなぁ〜なんて考えていたらぼやっと眠くなってきた。なんかどうも動く気にならないのでテントにブルーシートをかけて日よけにして再び寝てしまった。ここ羅臼国設キャンプ場は人を沈没させるオーラがあるような気がする・・・。

かなりグータラしていたら昼ごろ聞きなれた排気音が聞こえてきた。もしや・・と思ってテントから這い出し駐輪場へ向かうとやはり根室のRH鈴木食堂で出会ったAX-1乗りのコウちゃんだった。昨夜は開陽台のキャンプ場にいたらしい。俺も昨日「開陽台へ行く」と言っていたので、キャンプ場に現れない俺を心配していたらしい。それは悪いことをした・・。

彼はこれから知床半島の南側の海沿いにある相泊(あいどまり)の天然無料露天風呂に行くという。今日はどうせだらだらしているだけで目的地もなかったので今日は彼と一緒することにした。


◆テントポールが折れた!◆

ひとまずテントを建ててから出ようということになり、コウちゃんのテントを俺の隣に設営することにした。ところが、コウちゃんがテントを建てていたらグラスファイバーでできたテントのポールが「ミシッ」という音を立てて折れてしまった。「やべーよ」「どうしようか」みたいな話をしながらも無理やり仮組みしてみるとぜんぜんテントの用を成さないヘニョヘニョな構造物が完成してしまった。

もうその頼りなさがツボにはまって俺は腹を抱えて笑い転げていたのだが、コウちゃんにとっては切実な問題。しかし「笑い事じゃねぇよぉぉぉ!」とか言いながらも自分も笑っていた。

結局、折れた部分をきれいさっぱり取り除いて、10cmほど短いポールを作って組み上げたらなんとか設営ができたのでこれでいくことにし、2時過ぎに羅臼国設キャンプ場を発った。
(後に聞いたが、結局テントはその後の台風で完全に倒壊してしまい買い替えたそうだ)


◆相泊温泉◆

距離はあるが交通量・信号共に少ないので30分ほどで相泊温泉に到着。そりゃ無料なんだから質素な設備であることは承知の上だったが、正直実物を見て驚いた。道路の歩道から猛烈に丸見えなその相泊温泉は、まさに穴掘ったところに湧き出たお湯という完全な露天温泉だった。



え・・あ、あれですか?!



「手前が男湯、奥が女湯」
まてまて、何だその無理やりな分け方は・・。


普通に人が通る歩道から、見下ろせる絶好の位置にある温泉。さえぎるものは何もなし。さすがの俺も「これは入るべきなのか?!」と悩む。



ギャラリー(観光客)がゾロゾロ集まって「脱〜げ、脱〜げ」とか言っている。ちくしょー


上着とかを脱ぎながらもうーむ・・・と躊躇していたのだが、前を見るとコウちゃんが普通に脱衣中。「すげぇ、兄貴尊敬します!俺も続きます!!」と俺も続いて服を脱ぎ、温泉へ入った。

浴場でもないのに、人が普通に見ている状況で脱衣プレイ(?)するのは初めてだったが、意外と気持ちよい気もしてしまった俺だった・・・。



非日常口はヘア解禁してないので、倫理審査機構により修正が入っております。
(コウちゃんそっち女湯!!)


お湯はぬるめだったが、どうも水道水でぬるくしてあるようで源泉はかなり熱い感じ。俺が左手をついている側の浴槽側壁から熱い湯がぴゅーぴゅー出ているのが感じられた。お湯は海水かと思いきや少ししょっぱいもののほとんど真水。不思議だな。


俺たちがサクラになったのかは知らないが、このあと次々と人が増え始めた。観光客のおじさんが入ってきて、「おい、これからロマンポルノの女王がやってくるぞ」とか言うので冗談だと思っていたらバスタオル巻いた30後半?くらいの女性がやってきて驚いた。たぶん奥さんだと思うが、勇気あるな。


◆羅臼のGAP少年◆

温泉からあがってバイクのところで荷造りをしていると、どこからともなくキックボードに乗ったやや肥満な少年がやって来た。GAPと書かれたシャツがムチムチな彼は地元民の模様。
こんなスーパー田舎の小学生に話が聞きたくて声をかけると結構気さくなヤツだった。「夏休みは昆布の洗浄(?)を手伝わされるからあんまりうれしくない」とかリアルな話が聞けておもしろい。「ラショー、ラショー」って言うから何かと思ったら「羅臼小学校」の略だった。



GAP少年。元気でやっているかな。


◆激アツ風呂「熊の湯」◆

温泉を出たときはもう4時になっていたので、そのままキャンプ場へ戻ることにした。せっかく2人一緒なんだし、なんか焼いて食べようと途中ホッケやジンギスカンなどと炭を買ってキャンプ場へ戻る。

キャンプ場の道路向かいにはこれまた無料の「熊の湯」という温泉がある。地元の愛好家たちの手によってかなりしっかり管理されていて、女湯はちゃんとドーム状の囲いがある(男湯はそんなものない。大自然だぜ!)。



すごい細かい規定がある。体を洗ってお湯を何杯かけてから入れとか、ぬるくするときは多数決で何人以上ならとか、かなり細かい。ま、無料ゆえに多くの人がやってくる場所だからルール作りをかなりきつくしないとだめなんだろう。大正カニの家みたいだ・・・。


事前に「熊の湯は壮絶に熱い」と聞いていたので覚悟していたが、うわさ以上の熱さだった。体を洗うために湯を桶に汲み、しばらくたってから体にかけるだけでもきつい。「ぐぅっ・・ガッ・・・」とか声にならぬうめきを上げながら無理やり湯船に入って肩まで浸かってみたが、全身の激しい痛みに絶えられず10秒ほどで湯船から出てしまった。

平気な顔して気持ちよさそうに入っている地元民は鍛え方が違うらしい。


◆コウちゃんと夕食◆

わざわざ買ってきた木炭に火をおこし、米を炊きながらホッケとジンギスカンを焼いて食う。



ガス以外の火を使ったのは久しぶり。やっぱり、いいな。


ホッケもジンギスカンもぜんぜん上等のものではないが、とにかく猛烈にうまかった。炊き立ての米もうまい。ガツガツ食っていたらあっという間に満腹となった。環境が良いのか、食材が良いのか、調理法が良いのか・・。おそらく全部なんだろうな。俺は「魚より肉派」であまり魚は食わないのだが、こんなにうまい魚ははじめて食った・・そんな気持ちになった。


食後、片づけをしながらコウちゃんといろいろ話をする。RH鈴木食堂で同宿となった人たちが猛烈に濃いキャラクターだったので、その話で盛り上がった気がする。

このキャンプ場には「ハサミムシ」という小型のクワガタというかなんというかそんな変な虫がたくさんいるのだが、こいつはあちこち入り込んでは人に噛み付いてくる。なので見つけるや片っ端から火にくべてやったらコウちゃんから「まごころちゃん怖いよ・・・」と言われてしまった。


俺はその後ちょっと山を降りてふもとのコインランドリーで洗濯をし、メールチェックや掲示板への書き込みを行った後キャンプ場へ戻る。テント内にも2匹ほどハサミムシが入り込んでいたが、さすがに残り火にくべたりはせず(面倒なだけ)テント外に放り出して0時過ぎに眠りについた。



走行距離:65km(累積1681km)
出費:1630円(累積27886円)



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