TOP野宿旅TT250Rで行く! 北海道24日間の旅

 TT250Rで行く! 北海道24日間の旅


■12日目(04/09/01)編

◆台風一過◆

朝4時に皆がゴソゴソする音で目が覚めた。再び朝日を見に行くらしい。一度見たけど、まぁもう一回見るチャンスがあるなら見ようかと俺も付いていくことにした。

外へ出ると不思議な黒い陰のような物がうごめいている。なんだ?と思ったら恐ろしいほどの数のハエだった。白い車にびっしり付いてグレーの車に見えるほどだった。なんなんだ一体・・・。



相変わらず素晴らしい朝日でした。焼け方は前回の方がすごかったですけどね。


かなり風が強いが、今日は雲一つ無い快晴。まさに台風一過である。みんな我慢の限界だったらしく、朝早くから急いで準備を始めていた。俺もこの3日間で広げた荷物を整理し、簡単ながらRHの掃除をして出発することにした。

バイクを見るとまる2日間波しぶきを浴びてもうあちこち錆まくり。ゴールドチェーンだったのが茶色いチェーンになっていたときはさすがに「そんなぁ〜」と声を上げてしまった。



旅立っていったルイさん。リュックにギター、ビニール袋・・・。
彼はきっと今もどこかを旅しているのだろう。



これ、コウちゃんの持っていた謎のルアーのような物体。なんだこれ?と思ったら・・・


カッターナイフだった!!しかもスライドさせる部分までちゃんと魚の形状に!

コウちゃん曰く「土産物屋で見つけて、買うしかないと思った」そうだ。そのセンス、俺めちゃくちゃ大好きです!!



晴天の中バイクに荷物をくくりつけ、出発の準備完了。長居したここともお別れだな。


俺より一足先にAX-1に乗ったコウちゃんが出発した。今日は俺と似たようなルートを取るからまた会えるかも知れない。彼は出発するとき、「よっしゃーいくぞーーーー!!!!」と大声で叫んでから出発していった。

俺も鈴木食堂のオーナーさんや同宿の人たちに挨拶をしてから出発をした。岬周辺の細い道を抜け、広い道路に出たときは俺もヘルメットの中で「よっしゃ、いくぞーー!!」と叫んでしまった。待った甲斐のある、素晴らしい天気だった。


◆強風との戦い◆

だが、走り出してすぐに問題に気づいた。天候は最高なのだが、風が強い。しっかりハンドルを握っていないと吹き飛ばされそうで、行き交うライダー達の挨拶も片手を上げて・・・ではなく一礼という感じになっていた。
ただ、この強烈な風のおかげで雲は全部吹き飛び快晴となっている。ありがたいと言うことにしておこう。


根室市内のセイコーマートで軽く食事を取り、市内のダイソーで少し物資の補給をした後「新酪農村展望台」へ向かうことにした。新酪農村というのは1973年に建設された国営の酪農村で、それを一望出来る所に建っている鉄塔のことを「新酪農村展望台」という。全然観光地などではなく、かなり穴場的スポットだ。
事前に読んでいた「北海道GO!GO!」でその広大な草原に魅せられ、絶対に行きたいと思っていた場所の一つだった。ただ、なんせ農道の中にポツンとあるそれは、縮尺20万分の1の地図では行き方すら分からない。

そこで、先日寄った道の駅「すわん41根室」へ寄り、観光案内所のおじさんに道を聞いてみた。やはりメジャーな観光地ではないらしく、おじさんも「確かにここに鉄塔はあった気がするけど、それがそうかは分からないなぁ」という感じで案内してくれた。

おじさんに聞いたヒントを頼りに分岐を探し当て、強風の中頑張って走りその鉄塔を見つけることが出来た。



これが新酪農村展望台。本当に草っぱらに鉄骨組の展望台が建っているだけだ。ものすごく風が強く、バイクの駐車位置を考えないと風で倒れてしまう。ヘルメットもタイヤの風下に置かないと転がっていってしまう風だった。


鉄塔に登ると風は更に威力を増し、手すりにしがみついていないと怖い。しかしそこから見る風景は最高だった。



見渡す限り草原!道路を除けば360°の草っぱらだった。



草原の中を走る一本の道。これから走る道だ。


憧れていた風景に出会った感動、これぞ北海道という景色、そして他に誰もいない。視界の及ぶ範囲に居る人間はおそらく俺だけだったのではないだろうか。30分くらい鉄塔の上でボケッとしていたが、今日のメインは開陽台。先へ進むことにした。

腹が減ったので展望台下の駐車場でパンなどを食べて出発したのだが、直後から壮絶な眠気に襲われた。ぬおー眠い・・・。途中ハッと気づくと縁石が間近に迫っているときが数回有った、一番危険な走行だった。どこかで寝れば良かった・・。


◆来たぞ開陽台!◆


そんな危ない橋を渡って開陽台(かいようだい)展望台へ到着。地球が丸く見えると有名な観光スポットだ。



ここからの眺めはすばらしく、地球は確かに丸かった。台風一過の晴天だが、風が強くて土埃が舞っているのか遠くが霞んで見えないのがちょっと残念。


眠気が取れないので駐輪場脇の芝生にゴロゴロし、15分ほど休憩してから出発。ガムを噛みながら走っていたら眠気はすぐに取れた。
これからは「開陽台北19号線」という道路へ行くことにしていた。道道ですらないただの道なのだが、アップダウンを繰り返しながら地平線の彼方までまっすぐ続く道。数年前にどこかのWebサイトで見かけて以来行きたくてしょうがなかった。北海道関係のツーリング雑誌の撮影スポットにも良くなっている道だ。
開陽台北19号はこの展望台から本当にすぐなのだが、なぜか道を間違って周辺を30分ほど探し回っていた俺。だが、コーナーの先にこの道が見えたときは「やっと来たぞ〜!」と叫んでしまった。



あこがれの道、開陽台北19号線。こういう感じの道は北海道に多々あるが、ここまで見事にまっすぐなのは珍しい。

しばらく堪能した後実際に走ってみたのだが、見た目ほどは楽しくなかった。遠くから見ると形状がよく分かるが、実際に走ればただの長い下りと登りの続く道でしかない。まぁ、そんなもんだろうなぁ。


◆いざ羅臼まで◆

何往復か走ってみた後、今日はまだ時間もあるし・・と羅臼まで進むことにした。開陽台展望台にもキャンプ場は有るがまだ3時でこの時間にテントを張るのはもったいないし、何よりこの数日間動けなかった反動で今日は走りたかったのだ。

気持ちよく羅臼までの道を飛ばしていたら、前から大きな虫が飛んできて「ペシッ」とバイクにぶつかった。バイクで走っていれば良くあることなのであまり気にしなかったのだが、あとでコンビニに寄ったときに見ると・・・

トンボがミラーに激突して死んでいました・・。ナームー。



16:30ごろ羅臼(らうす)の道の駅「知床(しれとこ)・らうす」へ。

この道の駅は海産物の直売をやっていて、海の幸が好きな人にはたまらない場所だと思われる。俺もカニなんかは好きだからうまそうだなぁなんて見て回っていると、どうも店が5時に閉まるらしくおばちゃんがあれこれ試食させまくってくれた。
これはズワイガニ、これが毛ガニ、これが・・・・と5種類くらいは食べさせて貰った気がする。しかも足一本分など試食の量も多い。それぞれ味や食感が違ってなかなか良い体験をさせて貰えた。

まんまと罠にはまったのだとは思うが、たまたま1人分くらいの味付けいくらが残っていたので「んじゃこれください」と購入。約100gで500円だった。

他のお店のおじさんが「兄ちゃん今日は焼き物するかい?」と聞いてきた。今日はそこまで気力がなかったので丁寧にお断りしたが、おそらく「する」と言えばホッケの開きみたいなのを安くで売ってもらえたのだろう。


◆羅臼野営場と熊の湯◆

そして国設羅臼温泉野営場へ向かう。ここはキャンプ派の人が皆「あそこはいいよ」とお勧めするキャンプ場で、無料である。設備的には普通のキャンプ場と何ら変わらないからかなり良い場所だ。

空きスペースにテントを張り、歩いていける距離にある無料の温泉「熊の湯」へ向かう。ここは地元の人たちがかなり厳しく管理しているようで、入浴10箇条みたいなものが掲げられている。色々うるさく書いてはあるが、こうでもしないと維持出来ないのだろう。脱衣所がちゃんとあったり、掃除がされていたりと誰かが管理してくれているのに無料なのだからおとなしく従う。

・・・が、凶悪なまでに湯が熱い。かなり体を慣らしてから息を止めて「ハァッ!」っと入ってみたが、体中が痛くて10秒持たなかった。平気な顔して入っている地元の漁師さん達はどういう体しているんだよ・・・。水を入れるとこの人達が怒るらしいので、さっさと諦めてキャンプ場へ戻った。汗は流せたからいいさ。


キャンプ場へ戻り、すぐに米を炊いて今日はイクラ丼を作ってみた。


酢飯じゃないが、充分イクラに味が付いているのでおいしい。小さく見えますが米は1.2合ほどあるので結構食えます。


片づけた後テント内で旅行記をまとめながらグリーン豆(好物なのだ・・)をポリポリ食べていたらいつの間にか寝てしまった。2時頃寒さで目を覚まし、寝袋へ潜り込んでまた寝た。

今日は「北海道に行ったらここは絶対行きたい!」と思っていた場所はだいぶ制覇できた。鈴木食堂でひたすら天候の回復を待っただけあって、快晴の開陽台を見れたし、大満足である。でも、旅はまだまだ続くのだ。

あれだけ強かった風も、夜には穏やかになっていた。



走行距離:242km(累積1616km)
出費:4470円(累積26256円)



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