TOP野宿旅TT250Rで行く! 北海道24日間の旅

 TT250Rで行く! 北海道24日間の旅


■14日目(04/09/03)編

◆2週間目の朝◆

旅を始めて2週間目の朝は自然に5:30頃目がさめた。さすがにまだ行動には早いので二度寝して6:30に起床し、カップ焼きそばにスープ、パンなどをガツガツ食った。トマトの一個でも買っておけばもう少しまともな食事になるのだろうな・・なんて思ったりする。



羅臼国設キャンプ場は普通にシカが出る。朝日でシュラフを干していたら脇をスタスタと通り過ぎる2頭のシカ。だいぶ人間慣れしているようだ。


今日はこれから、コウちゃんと一緒に「カムイワッカ湯の滝」という天然の温泉に行く事となった。位置的には昨日の相泊温泉とちょうど知床半島をはさんで反対側。これから知床峠を越えて向かうことになる。

カムイワッカ湯の滝は滝つぼがそのまま温泉になっているところで、ダートを11km走り、その後沢登りを30分ほどすると現れる秘境ムード漂う温泉だ。せっかくのダート11kmを楽しんで走りたかったので、また戻るのは面倒だがテントなどの荷物はキャンプ場へ置いたままにして8時に出発した。


◆絶景ワインディング、知床峠◆

知床半島を横断する知床峠は標高740m。羅臼側からウトロ側(つまり北西方面)へ走ると登りは急坂・急カーブで下りは比較的緩やかという非常に楽しいワインディングロードだ。交通量も比較的少なく、気持ちよくバイクを倒して峠を駆け上がる快感が味わえる。



峠の頂上付近に架かる橋。赤い欄干と青空のコントラストが美しい!



知床峠PAから羅臼岳を望む。快晴ですばらしい眺めでした。北海道の雄大さは平らな所以外でも感じられます。


◆ガタガタダートと恐怖の沢登り◆

知床峠を満喫し、目指すはカムイワッカ湯の滝。国道からわき道へ入り、しばらく走ると道はダートとなる。見通しがよくて一見走りやすそうなダートなのだが、いたるところが穴だらけなかなりの悪路。オンロード車だとかなり気をつけて走らないと転倒してしまいそうだ。



こうやって見るとまっすぐでいい感じなんですけどねぇ。けっこう交通量が多いから路面が傷むのでしょうか。


「カムイワッカ湯の滝」へ続く沢の入り口にバイクを停め、ズボンのすそをまくり、カメラなどをビニール袋に入れ、サンダルに履き替えて沢へ入った。すべるため危険らしく「わらじ」のレンタル屋があったが、自分はかかと付きのスポーツサンダルだったので借りずにチャレンジ。



これが脅しではないと、俺はすぐに知るのでした。


登り始めてすぐに「沢登り」というよりかは「崖登り」に近いと思った。沢と言うとなんとなく「小川のせせらぎ」みたいなものをイメージしてしまうが、もはやほとんど滝をいくつも越えていくようなもの。一歩踏み外せば負傷じゃ済まないような場所も多々ある。

俺が登っている間にも2人ほど足を踏み外して落ちて下の滝つぼにバッシャーンとなっている人を見たが、下が水じゃなかったら・・・・。
俺は借り物の一眼レフ、デジカメ、メモリーカードなど猛烈に大切なものを所持していたので、何が何でも転ぶわけには行かない。一歩一歩足元を確認しながら登った。

沢を登っていると、だんだんと足元の水が温かくなるのを感じる。そう、温泉は近いのだ。足元が「もう入れるんじゃない?」というくらい温かいお湯に変わったとき、大きな滝つぼが目の前に現れた。



なんとかたどり着いたカムイワッカ湯の滝!ちょっとぬるめです。


皆水着で入っていたので、俺もハーフパンツに履き替えて入る。硫黄分が岩にこびりついているがそんなに硫化水素臭くは無い。ただなめると独特の味がし、しぶきが目に入るとかなりしみる。肌がツルツルというかヌルヌル?になり、美肌効果があるとかないとか・・。



無事入れました。大変だった・・・。
ちなみに結構水深が深く、この写真、実は底に立っています。


詳しくは分からないのだが、滝の上でチョロチョロと熱そうな源泉が沸いているのが見えるので熱い源泉と川の水が混ざって適温となっているのではないだろうか。
源泉のそばまで登れないことも無いのだが危険度はさらに高く、また落石で入浴者を怪我させる可能性があるため立ち入りも禁止となっていた。


ある程度お湯を堪能したら当然沢を下るわけだが、崖なんてのは登るのは楽でも降りるのは怖いもの。行き以上の恐怖と戦いながら下っていった。「こんなの転ばずにどうやって降りるんだよ!」という場面もいくつかあったが、結局履いていたジーパンはほとんど濡らさず降りることに成功。疲れた。



うまく傾斜を伝えられないのですが、写っている人間のサイズで判断してください。とにかく、角度はあるわ水の流れはあるわコケで滑るわ・・・怖かったです。こんなところを20分間登ったり降りたりを続けた先の温泉。行きたい気持ちは分かります(自分も)。

(沢の入り口まで行くダートは、8月中はマイカー規制でバスのみしか入れないとのことです。また未確認情報ですが今年から通年マイカー規制になったとの話も聞いたので、行きたい方は要チェックですよ)


◆コウちゃんのバイクにトラブル◆


ダートを抜けて待つが、コウちゃんが来ない。写真を撮ったりしていても見えてこないので心配になり、戻って確認しようとした頃彼は現れた。だが、なんか様子が変。


「まごころちゃん、やっちゃったよ〜〜」というから転んだのかと思ったら、彼の手にはナンバープレートが。妙に改造されたAX-1なんだが、フェンダーレスにしてナンバープレートを移設していたためダートでサスが沈み込んだときにタイヤと接触し、ステーが根元から折れたらしい。

ひとまずその場は俺の工具セットに入れておいたインシュロックと針金で応急処置をし再び走り出した。しかし修復が不十分だったのか分からないが知床峠を走行中に再びタイヤと接触、針金やインシュロックを引きちぎってナンバープレートが後続の俺めがけてぶっ飛んできた。怖かった・・・。



再び笑い転げる俺。「わらいごとじゃねぇよぉぉ!」といいながら笑うコウちゃん。彼の装備はいつもネタを提供してくれる。


この笑えるが笑えない状況。取り付け穴自体がもぎ取れてしまったので簡単には修復不能。コウちゃんは「キャンプ場までなら警察いないっしょ」と、ちょっとWebには書けない方法で問題を解決して再び走り始めた。


◆コウちゃんとお別れ◆

キャンプ場に戻った俺はテントをサクっと片付け、撤収の準備を終えた。コウちゃんは昨日来たばかりでもう一泊ここへ泊まるそうなので、ここでお別れとなる。



取れたプレートと一緒に記念撮影。この先も、お互いよい旅を!
ここで一句。「若者よ 命落とすな プレート落とせ」


2時に羅臼国説キャンプ場を後にし、これから先は最北端の宗谷を目指してオホーツク海沿いをひたすら北上するのみ。最後に知床峠をもう一度満喫してから、北を目指した。


◆何かあるけど、何も無い◆

多くのライダーから「オホーツク海沿いはあまり面白くないよ」なんて話を聞いていたが、実際退屈な道だった。見所があるわけでもなく、だからと言ってオロロンラインのようにすばらしいほど何も無いわけでもない。北海道らしくない道・・という感じだ。まぁ、関東人が勝手に北海道のイメージを作っているだけなのかもしれないが。

キャンプ場を出発してから約2時間ダラダラと走り、道の駅「はなやか小清水」で友人Kasuyanと連絡を取った。彼は同じ学校・学部の友人(学科は違う)で、俺とは逆周りで北海道を回っている。ちょうど今日あたりですれ違うくらいなので良ければ一泊一緒にしないかということになっていた。

ちょうどいい場所を探すのに苦労したが、連絡を取り合いひとまず網走駅の前で落ち合った。先に到着していた彼はローソンで漫画を立ち読みしていた。
Kasuyanはテント等のキャンプ装備を持っていないので適当なRHを探すが、ちょうどいい位置にめぼしいものが無い。かなり探し回って網走湖近くにある「夕陽の家」というRHに泊まることにした。


◆夕陽の家◆

夕陽の家に着き、案内されたログハウスへ入ってびっくりした。もう一面落書きだらけなのだ。それも時代物ばかり。北海道のツーリングライダーたちが「みつばち族」なんて言われていた時代を感じさせるものだった。

※バイクで「ぶんぶん」と走るからみつばち族って言われていたそうです。ちなみに電車で旅をする人たちは、荷物が邪魔で狭い客席の間を横向きに歩くので「カニ族」って言うそうです。



昭和61年とか、年季が半端じゃないものがほとんど。バイクの名前も古い!


そんな貫禄(オーラ?)漂うログハウスでコンビニ弁当の夕食をとり、Kasuyanと北海道話をした後風呂へ。ここには五右衛門風呂があり、それに入らせてもらうことができた。まぁ五右衛門風呂と言っても鉄の釜にお湯を入れるだけだったので微妙だったし、途中でボイラを切られてお湯が出なくなったりといろいろ大変だったが・・。



Kasuyanと。よくピースサインをする男です。


お互い逆方向から来たのでそれまでのルートの情報を交換したりした後1時頃に就寝となった。まだまだ、最北端への道は長い。



走行距離:227km(累積1908km)
出費:2250円(累積30136円)



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