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旅 TT250Rで行く! 北海道24日間の旅 |
■11日目(04/08/31)編 ◆霧笛の響く納沙布◆ 朝7時頃に目が覚めたが、早起きしたところで何もすることがないため2度寝。8時頃に起きて石油ストーブ(夏なのに無いと寒いのだ!)でパンを焼いて食べる。 事前に根室市内で買いだしておいたタマゴをゆで、ゆで卵付きの豪華ブレックファースト。 起きた頃からずっと「ぶおー ぶおー」というような音が聞こえてきていて、洗濯機の音かな?と思っていたら「霧笛だよ」と教えてくれた。すぐそばにある納沙布岬灯台から霧笛がなっているのだった。台風は数時間でここを直撃する。風が次第に強さを増していくのが感じられた。 ◆まさかの訪問者◆ 昼頃になると根室を完全に台風が直撃し、壮絶な暴風雨になってきた。ボロいプレハブ小屋は風でグラグラ揺れる。「こんんだけすし詰めだし、飛ばないですよね?」とかみんなで真剣に心配していた。 外へ並べて置いてあるバイクは風を受けてグラグラ揺れ、今にも倒れそう。アメリカンなどは良いが、俺のTT250Rは背が高いので今にもぶっ倒れそうだ。トランザルフさんのバイクもヤバイ。しかたなく、暴風吹き付ける中バイクを移動させた。 バイクに乗るどころか歩くのさえままならないような風が吹く中ゴロゴロしていると、外からバイクのエンジン音が聞こえてきた。「え?!こんな時に?」と皆で外を見ると一台のCBR250Rが・・・。どこから来たのかは知らないが、走り出したもののどうしようもなくここへ避難してきたらしい。乗っていたのは高校生の女の子で、壮絶な天候に呆然としていたそうだ。 もはやバイクを動かす気力がない女の子の代わりに3人がかりで取り回し。CBR250Rは軽いが、この風の中1人で取り回すのは厳しい。 荒れまくりの海。波しぶきはそのまま飛んできてバイクへザバザバかかる。俺のボロバイクはまだいいが、新車のYAMAHA FZS1000で来ていた人は、「まだローン払い終わってないのに・・・」と切ない目をしていた。 ◆汲み取り便所はかぐわしき香り◆ このプレハブ小屋、一応トイレは付いているが当然汲み取りだ。和式の便器には蓋がついていて、使わないときは蓋をして匂いを防ぐ仕掛けになっている。 だが、外の汲み取り口から吹き込んだ風が逆流して蓋が浮き上がるのだ。そしてその風は溜まった汚物の匂いを部屋まで運んでくれる訳である。そんな中ゆで卵を食う俺。きれい好きだったら死んでしまう環境だったな・・。 そんな匂いと格闘していると、だんだん風が収まってきた。ラジオを聞くと台風の峠は越したようだ。「明日はやっと走れそうですね!」なんて話をしていたら、突然岬に響き渡る街宣車の音楽・・・。まだ雨の降り続く外を見ると、なぜか白装束に身を包んだ団体が・・・! お前らはパナ○ェーブかよ!と言いたくなるが、右翼団体の人間だった。岬へ立って「北方領土、ヘンカーン!」とか言っている。おーこわっ。 土産物センターの駐車場は街宣車の見本市となっていた。「おっす、おら極右!」 ◆まさかの訪問者2◆ 何時頃だっただろうか、日も完全に暮れた頃、また外からバイクのエンジン音が聞こえてきた。エストレヤに乗った人がこちらへ近づいてきて泊まりたいという。すでに一杯ではあるが、無理矢理場所を詰めて入れてあげた。 「こんな日になんで?!どこから来たのよ?」と皆で聞くと、なんと羅臼から走ってきたらしい。しかもしっかり観光をしてきたとか。途中「海沿いの道路で波にのまれそうになった」そうだ。しかも根室市内にもっとでかいRHがあるのに、夜遅くなってまでわざわざ納沙布岬まで来たのは「朝日がきれいって聞いたから・・・」だそうだ。 ムチャをしているときの謎の高揚感は確かに楽しいが、人に迷惑をかけかねないムチャはどうなのかなぁと思った一件だった。 ◆明日への期待◆ あれだけ強く降っていた雨も夜遅くに止み、少し散歩へ出てみることにした。 薄雲に月が透けて見える。明日は晴れるかな。 暴風になんとか持ちこたえたライダーハウス。 本日の夕食。質素だぜ・・・。はやく米を炊いてカレーが食いたい!! 皆10時頃に早寝してしまったが、俺とルイさんの2人で遅くまで色々と話し込んでいた。何もかにもかったるく、「こうやって沈没する人が居るんでしょうね」なんて事を話していた気がする。 この穴蔵から、明日は抜け出せるのだろうか。いや、暴風じゃない限り明日は行動しよう。そう考えながら寝た夜だった。 走行距離:0km(累積1374km) 出費:500円(累積21786円) <前の日 一覧へ戻る 次の日> |
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