TOP野宿旅TT250Rで行く! 北海道24日間の旅

 TT250Rで行く! 北海道24日間の旅


■9日目(04/08/29)編

◆のんびりした朝◆

テントを照らす日差しで7時過ぎに目が覚めた。まだ眠たかったが暑くて耐えられなくなりテントから這い出す。Iさんも起きてきた。

せっかく会ったのだし、先を急ぐわけでもないからダラダラと朝の支度をする。日差しが強いので上着を着ないでシャツだけで行動する。やっぱり北海道とは言え夏なんだな。



朝食の風景。普段は左側のパンとジャムのみですが、今日はIさんよりシェラカップをお借りしてスープ付き。いいなぁ、チタンシェラカップ・・・。(撮影:Iさん)


ぼけーっとしながらIさんと話をしていたら根室市?の車が数台やってきた。何かと思ったら昨日から気になっていた謎の老夫婦の元へ。なにやら話をしていると思ったら夫婦別々の車に乗せられどこかへ連れ去られてしまった・・・。
福祉課の職員とかなのだろうか。車に生活道具一式積んでいた夫婦だったし、住むところが無くて野営場に住んでいるのかも知れないな。


ダラダラしていたが、少しは距離も走りたいし11時前ごろにIさんとお別れとなった。最後に別れの握手をする。



Iさんと。都合によりお顔は見せられません。明るくて良い方でした。また会いましょう!


◆一路根室へ◆

釧路から根室へと東西に続く国道44号の南側に道道142号が並行して走っている。海沿いだが林に囲まれ海は見えないこの道、とにかく恐ろしく交通量の少ない道だった。片側一車線で道路はきれいなのだが、対向車が全然来ない。時々小さな集落があるが、コンビニどころか全然人間が居ない!こんな所でエンジンが止まったら数時間は通る車を待たなければならなそうだ。

そんな道を無事に通過し、途中の郵便局で小包を出して霧多布岬(きりたっぷみさき)へと向かう。途中にある厚岸(あっけし)駅ではカキ弁当という駅弁が有名らしいので見に行ってみるた。俺の予想では牡蠣フライでも入っているのかと思ったらカキの炊き込みご飯だった。しかも量が少なくて600円。当然買うわけもなくスルーしてしまった。駅弁ってのは少なくて高いのが普通だからね。



途中で寄った道の駅「厚岸グルメパーク」。店内で魚介類を買い、店内の炭火で自由に焼いて食べることが出来る。釧路市内のスーパーで地元民価格を知っている俺としてはちょっと手の出ない値段だった。


◆霧多布岬◆

2時頃、霧多布岬と思われるところへ付いた。だが思ったよりもショボイところで、人も全然居ない。「有名な観光地なのに不思議だなぁ」なんて思ってウロウロしていたら立て看板が。そこには湯沸岬(とうふつみさき)と書いてあるではないか。霧多布岬は隣だったようだ・・・。



向こうに見えるのが霧多布岬らしい。でも全景が見れたからヨシとするか。
本当に海へ突き出ていて「岬」って感じがする。



見つけた瞬間「やるしかない!」と思ったカニ。三脚を使って1人で撮るこの切なさ。アホな顔しているのはわざとですが、1人でこれは辛かった。


霧多布岬は名前の通り霧がかっていることが多い岬らしいが今日は晴天。イマイチインパクトの薄い所だった。
駐車場でパンを食っていたら広島ナンバーの女性ライダーが来て話をする。根室のRH「鈴木食堂」が良いところだよと聞いた。今日はそこにするかなぁ・・・。


霧多布岬を出て根室へ向かう国道44号は30km以上ずーっと同じ景色が続き、道もダラダラとまっすぐ続く退屈な景色だった。ギアを6速に入れて70km/hくらいで巡航するのだが、運転操作がほとんど無い状態でずっと走っていると飽きてくる。
ブレーキもクラッチも操作せずスロットルも一定。ハンドルも進路調整程度。エンジン音も振動も常に一定状態。こういう状態ではかなり眠くなるのだ。北海道でしか味わえない贅沢な悩みだが、危険だし走っていて辛い物がある。

そんなとき、道沿いの家の前で遊ぶ子供が俺に向かってピースをしながら走ってきた。ライダー同士の挨拶をまねているのだと思うが、こっちも思いっきりピースを返してやった。単調な道で退屈していたけど、なんだかすごく良い気持ちになったのはなんでだろうね。


◆素晴らしき道道35号◆

根室市内でガソリンを入れた後半島の先にある納沙布岬(のさっぷみさき)へ向かうが、この道はそれまでのR44とうってかわって素晴らしい道だった。


ババーン!!
吸い込まれるような青空、まっすぐな道!!こんな道だったら30kmくらい楽勝である。地平線の彼方へ消えるスノーポールが北海道っぽくて良かった。


そんな道を堪能して納沙布岬へ。ここは北海道最東端で、領土問題に揺れる北方領土を見ることが出来る。「北方領土は日本の土地である」という事をアピールする「北方館」という建物があり、ここで北方領土を見ると視察証明書なる物を貰うことが出来る。


館内にはよく観光地にあるような望遠鏡がある。さすが国の施設だけあって無料だ。



無理矢理デジカメを押しつけて撮った北方領土。これで30倍だ。
見えるのはロシアの沿岸警備隊の基地らしい。

他にも根室には「返還!北方領土」などと書かれた看板が多く見られ、怖そうなロシア兵の姿と共に「島は奪われた! ○○小学校 根室太郎」という言葉の書かれた小学生の絵もよく見る。
領土問題というと神奈川に住む俺にとっては遠いところでの話でしかないが、地元にとってはやはり大きな問題なのだな。なかなか勉強になる場所ではあった。


◆RH鈴木食堂◆

そんな観光をしていたら日が暮れ始めたので、霧多布でライダーに教えて貰ったRH「鈴木食堂」へ向かう。名前の通り食堂で、何か食べれば無料、食べなければ500円というシステムのようだった。ひとまず今夜は500円を払って宿泊することに。
ハウスに案内されるとプレハブのまさに「小屋」で、中には怪しげな老人と、これまた怪しげな青年。しーんとした微妙な雰囲気が漂っていた。

「と・・・とんでもないところに来てしまったかも知れない!」と思ったが、ひとまず問題を先送りして風呂へ入りに行った。
一番近い銭湯は70〜80km/hでバイクをとばしても15分以上かかる漁村にあった。漁業組合会館にあるその風呂はまさに漁師用。夕方のこの時間帯はちょうど誰もいない時間のようで俺1人で貸しきりだった。もう少し遅くなると戻ってきた漁師達で混むそうだ。



まさか・・・と思って確かめるとやはり壮絶に熱かった。触っていられないくらい熱い。漁師達は熱い風呂を好むと聞くが、これはシャレにならん。
誰もいないのを良いことに水を入れまくってなんとか湯船に入ることが出来た。


風呂を出て鈴木食堂へ戻ると撮影旅行しているカメラマンさんと、SR乗りの人が増えていて5人となっていた。おかげで微妙な空気が和んで助かった・・。
外で飯を作っていたら無口だった謎の青年が話しかけてきた。話していると意外と普通だったが、この人なんと徒歩ダー!ヒッチハイクもするらしいが、そもそも乗り物無しで北海道を旅すること自体俺には信じられなかった。


「大型で非常に強い」という台風が北海道へ近づいている。明日はギリギリ行動出来るようだが、どうやらしばらくこのRHに停滞になりそうだ。こうして、次々現れるメチャメチャ濃いキャラたちとの微妙な3日間が始まっていくのであった――。



走行距離:202km(累積1321km)
出費:2333円(累積18182円)



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