TOP野宿旅TT250Rで行く! 北海道24日間の旅

 TT250Rで行く! 北海道24日間の旅


■5日目(04/08/25)編

◆ZZRさんと怖々林道走行◆

目覚ましは特にセットしていなかったが7時ちょっと前に他の方の起きる音で目が覚めた。朝食にバナナを食べながら今日の予定を考える。

近くの糠平湖(ぬかびらこ)に旧国鉄のコンクリートアーチ橋跡があり、微妙に廃墟好きの俺としては是非行ってみたいと思っていた。だが目的地は未舗装林道の先。オフローダーに乗っているくせにほとんどオフロードを走ったことがない俺はやや尻込みしていた。この林道を走ったことのある人は「ON車でも余裕なくらいですよ」と言うので多分大丈夫だと思うのだが・・・。
するとZZR400の人が「僕も行きたいですねー」と言いだし、2人居ればトラブったときなんとかなるだろう・・・と二人で行くことになった。林道初心者の過積載オフロードと、でかくて重いことで有名なZZR400のペア。やや不安ではあるが。



泊まったRH「糠平温泉湯元館」。表にDUCATIが一杯停まっていた。隣室の人たちかな。


RHから10kmほど走って林道の入り口を見つけ、「お互いマイペースで走りましょう」と申し合わせをしていざダートへ突入した。

予想していたとおり荷物をめいっぱい積んでいるTT-Rでは重心が高くて、ちょっとでもリアが滑ろうものならグラッときて怖い。初めはもう「ムリだ!」と思いながら走った。一人だったら引き返していたかも知れない。
しかし、しばらく走っているとなんとなくコツがつかめてきた。やや低めのギアで高回転を維持し、スピードもかえって抑えすぎない方が安定するようだ。



少し慣れてきたのでZZRさんの後ろについて写真撮影。轍は浮き砂利が無くて走りやすい。


糠平林道は写真の通りそこそこ走りやすい道ではあったが、上り下りがやや砂利っているところが多くブレーキングに気を遣った。ZZRだと更に大変だっただろうな。
ある程度走ると道が二股に分かれていて、どっちだろうか悩んでいると後ろから地元ナンバーの車が。手を挙げると不審そうな顔をしながらも停まってくれたので聞いてみると「カーナビによるとこっちみたいです」と教えてくれた。



そんなこんなで無事到着したコンクリートアーチ橋跡。雑誌の写真で見るよりだいぶ水没していて見た目のインパクトがイマイチだった・・・。それでも湖に沈む橋は見応えがあり、苦労して来た甲斐があったなぁとしみじみ。



橋を渡って水没している先端まで行ってみる(これは岸側を向いて撮影したもの)。途中崩れていて危ない。ちなみに、立て看板で「渡るな」と書いてあったので自己責任でどうぞ。



駐車場?で記念撮影。一応観光名所・・・らしい。


一通り記念撮影をし、来た道を戻ることにした。糠平林道はこの先も続いていて、糠平湖をぐるっと回れるらしいのだが精神的にこの先へ行く勇気はなかった。それでも帰路はそこそこ楽しんで走れたと思う。



無事舗装路へ帰還!二人とも転倒せずに戻って来れました〜。ZZRさんの持っていたコーラ(当然ぬるい)で乾杯した(笑)


俺がいたるところでデジカメやら一眼レフをバシバシ撮りまくっていたら「良く撮りますねぇ」と言われる。やっぱり俺は多いのかな?
でもいつも旅から帰ってきて「もっと撮れば良かったな」と思うくらいだから、撮りすぎってことは無いのだろうな、少なくとも俺の場合は。

ZZRさんはこれから帯広へ向かうそうな。俺とは反対方向なのでここでお別れとなる。昨夜名刺を渡しておいたので、帰宅したらHPを見てくださいなと伝えて別れた。ここからはまた一人旅だ。


◆通り雨に降られる◆

糠平湖で別れて走り出し、1時間も経たないうちに空模様が怪しくなってきた。「うわ、なんか降りそうだなぁ」と思ったらポツポツと来て、進行方向がなんだか霞んでいると思ったら一気に猛烈な雨になった。レインスーツを着る間もなかった。
雨をしのぐ所を探す余裕もない(というか、見渡す限り何もない)ので路肩でレインスーツを着て走る。大粒の雨が胸にバシッと当たると、厚着をした服の上からでも痛みを感じるくらいだった。
ひたすら雨に耐えていると、道の駅「足寄(あしょろ)」へ着く数分前に雨が止み、急に日が差してきた。なんだよーと文句を言いながら道の駅へピットイン。



大雨が降ったあと、すぐに日が差してきたの図。ワンテンポの差だったのか・・・。


道の駅の駐輪場に見たバイクが停まっているなと思ったらRHの隣室の人たちだった。彼らはうまい具合に道の駅へ避難していて濡れずに済んだらしい。ガビーン!

ショックに打ちひしがれていると、車のドライバーさんが声をかけてきた。「さっき荷物落としてたよ」とのこと。
なにっ!?と思って荷物を確認するとゴミを入れていたビニール袋が無くなっていた。しまった、ゴミを不法投棄してしまった・・・。だが雨で戻る気力もなく、ごめんなさいとつぶやきながら出発。


◆ヨシムラX-1ってなんだ?◆

途中ミスコースで20kmほど無駄に走ってしまったが順調に距離を伸ばして道の駅「おしょろ21」でトイレ休憩をしていたとき、地元ナンバーのバイクに乗るおじさんに声をかけられた。バイクは覚えていないがHONDAの古いリッターフルカウル。いかにも「足」として使っている感じだった。北海道でリッターバイクは良い通勤快速になることだろう(冬季除く)。

おじさんは興奮した感じで「さっきヨシムラX-1にサイドバッグ付けてツーリングしている人を見ちゃたよー」と言っている。俺は何のことだかよく分からなかったのだが、ヨシムラと言えばマフラーで有名。きっと高価なチタンフルエキのマフラー付けたバイクでも見たのかなと思い「それはすごいですねー」みたいなカラ返事をしてしまった。

後になって調べてみて驚いた。ヨシムラX-1というのはマフラーの事ではなく、ヨシムラがSUZUKI GSX1300R隼をベースに作った100台限定のコンプリートマシンで、出力193psのとんでもないマシンだった。そんなもので北海道ツーリングしている人がいるのかぁ。おじさんが興奮するのもワケ無いなぁ。


◆オンネトーは美しい湖だった◆

山の中の単調な道を走っていると急に眠気に襲われた。時間は3時少し前。地図を見ると少し先に「オンネトー国設キャンプ場」があったので、今日はさっさとキャンプを張ってしまうことにした。



オンネトー。要は湖である。湖というよりかは水たまりに近かったが、静かで自然も綺麗。とても美しいところだった。人も少なくて良い感じ。


オンネトーの先にある国設キャンプ場に料金250円を払ってテントを張り、中にマットを敷いたら倒れ込むように寝てしまった。昨日よく眠れなかったのだろうか?

寒さで目を覚ますと5時。日が暮れ始めていた。腹も減ったことだし、起きてご飯を炊いて飯を食う。いつも通りカレーだが、今日は奮発して「こくまろカレー」を食べた。やはり1パック98円のレトルトカレーと比べると全然違うな。

俺の経験上、どこのスーパーへ行っても「なっとくの○○カレー」シリーズと「ボンカレー」シリーズは大抵98円とか105円とかで売っている。だが正直この二つはあまり美味しくない。俺のように毎日食べると嫌になってくる。
予算を倍の200円にグレードアップさせると味や具にこだわったカレーが買えるので、旅の後半は色々なレトルトカレーにチャレンジした。結果、俺的一押しレトルトカレーは「こくまろ」に落ち着いた。ハッシュドビーフや「カレーマルシェ」のようなオシャレ系カレーももちろんウマイのだが、ご飯の量を多めに炊いて食べる場合味が濃いめの「こくまろ」が適しているのである。こんなことを考えるのも、旅の楽しみの一つだったりする。


◆これぞ温泉◆

飯を食べた後、近くの温泉に風呂に入りに行った。荷を降ろしたTT-Rは軽くて気持ちが良い。キャンプ場から2kmほどの所に国民宿舎とYHが隣り合わせであり、200円で良いというのでYHの風呂に入らせて貰うことになった。

この辺りは硫黄泉のようで、風呂場の扉を開けるとモワッと硫黄の強い臭いがした。俺は結構好きなのだが、「温泉の臭い」がダメな人だと風呂場に入ることさえ出来ないかも知れない。注意書きが張ってあり、

「硫黄の成分が強く、石けんが泡立ちません。無理に使うとベトベトになります。シャンプーなら泡立つので、その泡で体を洗ってください」

とあった。なんだかよく分からないが指示に従うことにする。ここの風呂場はなかなか原始的で、写真は撮れなかったが旅行記にスケッチをしておいた。スキャニングしてここに載せようと思う。



ノートに書いたスケッチ。風呂は木造で、水道が無い。湯船と洗い場に一カ所ずつお湯の出口があり、そのお湯は垂れ流しとなっている。ケロリンの桶こそあるが、椅子は角材だった。


お湯はやや熱めでとても気持ちが良かったが、上がるときになって問題が。水道がないので強烈な臭いの硫黄泉が流せないのだ。これでは服や寝袋が臭くなってしまうではないか・・・。まぁ仕方ないので気にせず服を着た。手元を見ると白いタオルが茶色に染まっていた。



帰りがけ、ちらっと見た湖が素晴らしかったので一旦テントまで戻り、三脚とカメラを担いで戻ってきて撮影。
うまく表現出来なかったが、月明かりが湖面にゆらゆらと反射して素晴らしい景色だった。しばし寒さを忘れてボーっとしてしまった。



2日前に中札内(なかさつない)の道の駅で買ったトウモロコシが残っていたのでゆでて夜食にする。話しかけてきたカタナ1100乗りの人にお裾分けし、話しながら食べた。甘くて美味しかった。



標高が高いためか夜は冷え込み、温度計は9.2℃を指す。天気予報が思わしくないので雨対策にブルーシートでテントを包む。これではホームレスだなぁ・・・。


眠いが、その日のうちにやっておかないと二度と書くことが無くなる旅行記をテント内で書き、10時頃眠りについた。寒いが、静かで良い夜だった。



走行距離:163km(累積780km)
出費:1846円(累積10262円)



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