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旅 TT250Rで行く! 北海道24日間の旅 |
■3日目(04/08/23)編 ◆安眠出来なかった初日の夜◆ 夜中、0:00と3:00頃に悪い夢と暑さで目を覚ました。二回目はシュラフがびっしょり濡れるくらいの大汗をかいていた。環境の変化なのか服装が厚すぎたのか・・・キャンプなんて慣れたものなのだがな。 朝日も昇った5:00ごろ、ビニール袋を漁る音、コッヘルの転がる音で目が覚めた。もうろうとしながら何だろうと思っているとテントの脇を「タッタッタッタ・・」と足音がする。「これはキャンプ場に良くいる野良犬か、追い払わねばテントを食われる」と思いファスナーを開けるとキタキツネだった。眠くめんどくさかったので適当に追い払って、また寝た。 7:00ちょっと前に起きてパンとコーヒーでのんびり昼食。今回は金網を持ってきたので食パンをこんがり焼いて食べることが出来る。一人で持ってきた道具の有用性を感じ、ほくそ笑む・・・俺のキャンプの楽しみ方の一つだ。 炊事場に松浦亜弥のポスターが!ヤングマガジンか何かの付録と書いてあった気がするが、何故こんな所に。 田舎のキャンプ場の炊事場でひっそり、破れ色あせていく松浦亜弥。まさにアイドルの運命を暗示している(のか?) 俺からかなり遠いところにテントを張っていたオートキャンパーさん達が「テントサイトを荒らされた、ビニール袋が破けているしカラスかな」というような話をしていたので「朝キタキツネ見ましたよ。多分そいつだと思います」と教えた。 俺は生きているキタキツネを見たのはこれが初めてだったのだが、一般的にイメージされているキタキツネの「かわいい」というイメージは間違いで、事実上害獣で有ると旅をしていて感じた。テントサイトを荒らすし、エキノコックスと言うかなりヤバイ寄生虫を持っている。ただエサを与えて人間に近寄るような生き物にしてしまったのは我々人間なのだよな・・と複雑な気分だ。 朝から快晴。ポカポカ陽気で湿ったテントやシュラフなどを乾かす。汗で濡れたTシャツもあっという間に乾いた。 ◆出発◆ ゆっくり時間に追われず準備をし、9:00ごろドラッグスター1100の人に見送って貰い出発。このDS1100の人とは、最終日に驚きの再会をすることとなる・・。 適当な写真で申し訳ないが、馬。この辺りは牧場が点在していてそこら中に馬が居る。競馬好きなら静内、新冠はお勧め。 途中道の駅「みついし」に寄ったりしつつ襟裳岬を目指す。ツーリングマップル北海道版は縮尺が20万分の1(1cmが2km!)なので地図で見るよりもずっと距離がある。休憩も入れて3時間弱ほどかかってしまった。あまりかっ飛ばしていないからだけど、まぁそれもいいだろう。 ◆襟裳岬でゲンナリ◆ 11:40に到着した襟裳岬。 まさかとは思っていたが、森進一の曲が流れていたのには笑ってしまった。襟裳岬の歌はもう一人女性ボーカルの曲もあるらしく、それと交互にひたすらエンドレスで流れていた。 「えりものォ〜春ハァァァァ 何もないィ春ですゥゥ〜」 今は夏だよ・・・。 襟裳岬は日高山脈の突端が太平洋に突き出たような構造をしていて、駐車場から遊歩道でトコトコ歩くと高さ60mの断崖絶壁の先端に行く事が出来る。 だが、遠い・・・。ばっちり厚着したバイクウェアなので、歩くと汗ばむくらい。いちいち脱いでウォーキングするのもなぁ・・・。 とにかく襟裳岬は観光客が多く、大型バスがひっきりなしにやってくる。中から降りてくるのは99%中高年の観光客。 「はいこちらでお写真お撮りください〜、バッジを見せればお土産が15%引で購入出来ます〜。12:15までにバスにお戻りください〜」と旗を持ったバスガイドさんがゾロゾロと観光客を引いて回り、観光客は「襟裳岬」と書かれた石碑の前で一応写真を撮った後土産物屋へ吸い込まれていった。 彼らは「襟裳岬」と書かれた石碑や看板の前で写真を撮るのが目的らしく、目の前に広がる視野に収まりきらない水平線とか、吹き抜ける涼しい風とかには興味がないらしい。ファインダー越しに風景を見たら満足なのだろうか。 そんな状況にあきれてしまった俺は、早く立ち去りたくなって先端を見ることなくバイクにまたがり、襟裳岬を後にした。なんだかんだで俺も「観光客」で有ることに変わりはないと思うのだが、それでもあんな事はしたくないなと思った襟裳岬だった。 ◆一気に北上◆ 襟裳岬を出発し、一旦北上して帯広周辺へ向かうことにした。なーんも無い道を6〜70km/hほどで走り続ける。途中の道の駅で地図を確認すると、この辺りは道東にあたるらしい。早速ホクレンでガソリンを給油し緑のフラッグを手に入れた。 この先、しばらく走ると幸福駅という廃駅があるらしい。「廃」という文字に惹かれ、そこを目指すことにした。距離的にもちょうど良いし、今日はその辺りで寝るところを探そう。 具体的な場所がいまいちよく分からなかったので道の駅「なかさつない」の野菜直売所の人に幸福駅の場所を聞くと、親切に行き方を教えてくれた。道ばたでゆでとうきびを売っていて食べたいなぁと思いつつも300円とかするのであきらめていたら、ここで生のとうもろこしが70円で売っていた。おお、これを自分でゆでて食べようと1本購入。 ちなみに駐車場でUターンしようとしたらエンストしてしまい、あわや立ちゴケするところだったのだが耐えた。思いっきり直売所の人に見られ、恥ずかしくて早く立ち去ろうとしたら今度はシフトアップの時にニュートラルで空ぶかししてしまった。焦るとロクな事がない。 ◆旧幸福駅◆ 4:00過ぎに旧国鉄幸福駅に到着。観光バスが居なくてホッとする。 幸福駅駅舎。駅舎の中に入ると・・・・ うわっ、なんじゃこりゃ! 幸福にあやかろうと訪れる人が名刺や一言書いた紙を貼り付けていくようだ。もうとんでもないことになっている。 俺?俺は結局貼りませんでした。なんか異様な雰囲気で、幸福とはほど遠そうだったから・・・。 車両も展示されていました。ちなみに幸福という駅名、元々「幸震」という部落だったところに福井からの移住者がやってきて、両方の頭文字を取り幸福となったそうです。 駐車場で地図を見ていたら社外マフラーを付けたHONDAフュージョンが。ものすごいアフターファイヤーだったのだが、抜けが良すぎてセッティングが薄いのだろう。その内焼き付かないか心配になってしまった。 ガイドブック「GO!GO!北海道」を見ると近くに無料ライダーハウス「大正カニの家」があるようだ。無料RHはいままで泊まったことがないし、今日はここにしようとバイクを走らせた。 ◆カニの家でヌシに出会う◆ ヌシ(主)という言葉がある。 無料ライダーハウスやキャンプ場などに居着き、そんな権限はないのに取り仕切ったり威張り、概して嫌われる旅人の事だ。 俺はそう言う話は聞いていたが、今回はじめて遭遇してしまった。 大正カニの家はものすごく綺麗なログハウスで、RHというよりペンションだった。中へ入り「今日泊まりたいんですけど・・」と言うと、アメリカの2流ラッパーのような格好をした黒人っぽい男(注:日本人です)が「始めてか?」と聞いてきた。俺が「そうです」と答えると「目の前にある規則を読んで、守れるならあがれ」と言われる。 なんか態度が気にくわないが、まぁ管理人なのかな?と思い従った。 大正カニの家ルール。A0くらいの巨大な紙に印刷されていて、施設中に掲示されている。そこらのYHなんか目じゃねーくらいの規則だぜ! 住所と名前を記入するだけで手続きは終了となり、荷物を上げて一息ついたが、微妙に居心地が悪い。チンピラ風の偽ラッパーのせいだろう。このあたりで偽ラッパーが管理人ではなく、ただの旅人であることに気づいた。おお、これが噂の「ヌシ」かぁ・・・とまるで天然記念物を見つけたような気分になってしまった。 すぐに日も暮れたので近所のスーパーで適当に食料を仕入れ、備え付けのIHクッキングヒーターで米を炊いて飯を食う。ヌシを除けば建物は綺麗だし、温水シャワー、水洗トイレ、コンロ、流しなど設備もそろっていてしかもタダという最高のRHではあった。 夜、やや霧がかってきた。三脚を持ち出し、一眼レフで長めのシャッター(3秒ほど)。周りが雪だったらシチューのCMっぽい写真になったんだろうけどな。 10時頃、このRHの管理人さんがやってきた。ミーティングと称するその集まりで免許証の確認とか、規則の再確認なんかをする。「みんな良いな?」「ハイッ!」という感じで、全然楽しくない。無料RHはこれが最初で最後にしようと思ったこの日だった。 本日の寝床。消灯時間を過ぎるとものすごいいびきが響き渡り、寝付くのに苦労した。 設備はすごく良いが、妙な人間のせいであまり心地よくなかった夜だった。 走行距離:209km(累積490km) 出費:1402円(累積3784円) <前の日 一覧へ戻る 次の日> |
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