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 03'夏ツーリング 北海道→鳥取 自転車野宿一人旅


■16日目(03/09/05/金)編

朝5:30に起床。かなり寒く、レインスーツを着てテントの撤収作業をする。昨日はトラックのアイドリング音もあまり気にならず熟睡出来た。だいぶ野宿が板に付いてきたようだ。
思えば生まれて初めての一人野宿は静岡・愛知・三重自転車野宿一人旅の初日だったなぁ。ものすごいドキドキしながらテントで過ごしたあのころが懐かしい。



↑テントを片づけてしまった後だが、ビニールシートの敷いてあるところにテントを張って寝た。植木をどかさせて貰ったが、ちゃんと元の場所に戻しておいた。立つ鳥跡を濁さず・・・だね。


いつも通り食パンにジャムをヌリヌリしながらの朝食にする。ボケーッと駐車場のトラックを眺めていたらジャムの固まりがボトッと地面に落としてしまった。んがぁ!貴重なジャムが!野宿旅中は少々のことは気にしないが、さすがに地面に落ちたジャムは食えずアリ君のエサになって貰うことにした。

そんなつまらないことをしながら朝食を食べていると昨日ビールをくれたおじさんが再びやってきた。「朝早いな。よく眠れたか?」と聞かれる。こっちも昨日のビールのお礼を言い、せっかくだし・・と一緒に写真に写って貰った。



↑ビールをくれたトラックの運転手のおじさんと。いい人でした。


テントの撤収と荷物のまとめを済ませ、おじさんに別れを告げた後建物の裏にテントを張って寝ていた日本縦断チャリダー二人組に声をかける。彼らは身軽だし一日に150kmとか走るらしいので「多分途中で抜かされると思いますけど、お先に出発します〜」と声をかけ、道の駅「朝日」を7時前に出発した。
すぐ近くにコンビニがあったのでジャム・食パンの他たまには・・・とおにぎりを買う。朝から米を食うのは久しぶりだ。

出発から約2時間ほど走り、次の道の駅「神林」へ。ちょっとトイレに寄ったりしたあと、道の駅が開くのを待つ。と言うのも、この旅の中で俺は「道の駅スタンプラリー」を独自にやっていて寄った道の駅のスタンプはほぼすべて集めているのだ。この道の駅「神林」も例外ではなく、スタンプが押せる時間まで30分ほど待つことにしたワケ。

自販機前のベンチに座ってボーっとしていると、駐車場に見覚えのあるトラックが止まっていることに気が付いた。よくよく見るとビールをくれたおじさんではないか。おじさんもこっちに気づいてやってきて、「早かったな!」と言われた。おじさんはこの道の駅で適当にお土産を買った後近くのICから高速に乗って帰るらしい。

その後自転車のチェーンに油を差したりしていたらまた別のトラックの運転手に声をかけられた。その人は北海道の人で、メロンを全国に運ぶ仕事をしているらしい。一応俺の頭の中には北海道のメロン=夕張メロンだと思っていたので「夕張ですか?」と聞いたら「いやいや、夕張メロンは今落ち目だね」と言われた。「今は○×△だよ〜」と言われたが、品種名は忘れてしまった・・・。

このおじさんも面白い人で、道の駅の掃除に来ていたおばさんに無理矢理お茶をおごっていた。
おじさん「かあちゃんお茶がいい?おごるよ?」
おばさん「いえいえ、いいですよ」
おじさん「そう言わずに、おごるよ。お茶で良いね?」
おばさん「いえ、お気になさらずに・・・」

ここでおじさんお茶の缶を購入し、半ば押しつけるようにおばさんに渡していた・・・。そんな状況を見ていたら、突然「兄ちゃんはコーヒーで良いなッ!」と言われ、突然缶コーヒーを渡されてしまった。気前よすぎです、おじさん・・・・(笑)



↑そんな訳で貰ってしまった缶コーヒー。断る訳にもいかないし、ありがたくいただくことにした。


初めはスタンプ待ちの為だけのつもりだったが、いつの間にか色々な人と話をしてしまい1時間近くが経っていた。さすがにあんまり走っていない午前中の内からこのペースはヤバイだろう・・とお礼を言って出発する。昨日今日と色々話をしたビールおじさんにも「気を付けろよ」と言われる。そちらも帰り路お気を付けて。


途中のコンビニでポカリの粉末、カレーなどを買い、コンビニの前で食パンを食べていたら道の駅「朝日」で会った日本縦断チャリダー2人組に追い越されてしまった。ちょっとのんびりしすぎたかな、ハハ・・・。

それにしても今日はかなり暑い。まさに「カンカン照り」であり、焼け付くような日差しが体に堪える。かなりの水分を消費するが、全然トイレに行かないからおそらく全部汗になっているのだろう。恐ろしい話だ。



↑新潟市内を抜ける。路肩は路上駐車だらけ、歩道はアーケードのようになっていて人と自転車がいっぱい・・・とものすごく走りにくい。札幌も函館も走りにくかったが、やっぱり街中はなかなか気持ちよく走れないね。


一番混んだ新潟市内を抜け、なんとか普通の市街地になってきたな・・・と言うところで油断したのだろうか、この旅最初で最後の転倒をかましてしまう。
車道は路肩が細くかなり車の流れの速い道であり、歩道も自転車通行可だったので歩道を走っていたときだった。前方にだいぶガタイの良い女性(太っているとも言う)が歩いていた。女性は歩道の左寄りを歩いていたので何の気なしに右側を通り抜けようとしたとき、別に何の障害物もないのに突然女性が右側に寄って来るではないか!さすがにぶつけたらまずいのでフルブレーキングしたが、ちょうどこっちと横並びになったくらいで体同士が接触、俺は反動で倒れてしまった。転倒というよりかは立ちゴケに近い。
さすがにその行動は予測出来ず、「そりゃ無いよぉ〜」と思ったが、ひとまず謝る。女性の方は「あ、ごめんなさい・・・」とか細く言ったと思ったらふっとどこかへ消えてしまった。まぁこっちも幸い怪我はしなかったし、良いか・・・と気を取り直して出走した。
さすがに突然右に幅寄せされるという行動は予測出来なかった。いやぁ、やっぱり歩道は走るものじゃないね。


新潟市内を抜けた後、海沿いのR402号に乗ってどんどん南下する。初めは快調に走っていたのだが、新潟空港を過ぎた辺りから膝が痛くなってきてしまった。今日は若干の追い風でフロントはアウターギアを使って快調に飛ばしてきたのだが、どうやら飛ばしすぎたらしい。俺の場合膝が痛くなるときは必ず左膝から痛くなるのだが、それをかばって走っていると今度は右も痛くなってくる。うーむ、まずいな。

若干のアップダウンのあるR402は防風林に左右を挟まれ、海が近いというのに海が見えないどころか暗くじめじめした感じの道だ。明日は天気予報で雨。どこか屋根のある寝床を見つけないと大変だ。だが地図で見る限りYHや道の駅はこの先全然無い。今日の寝床の予定も立たず、膝が痛い状態でちょっとうす暗い道を走っていると言いようもなく心細くなってくる。

日が傾き始め、雲行きもだんだん怪しくなってきて気持ちは焦る。道沿いに何ヶ所か駐車場兼休憩所のようなところもあったのだが、とてもテントを張って雨をしのげるようなところではなくパス。こう言うときは焦ってさらに無理をして膝に負担をかけてしまうから心を落ち着かせてなるべく低速で走る。


とうとう寝るところが見つからないうちに走行距離が100kmを越えてしまい、足も痛いので「角田浜」というシーズンオフの海水浴場に寄ってみた。何十軒も海の家があるが、ほとんどがシーズンオフで閉まっている。唯一空いているようなところを見つけて素泊まりいくらかと聞くと4000円とのこと。高ッ!
値切り交渉をしてみるが、「今日はお客さんが居るから・・・」と断られてしまった。「この先にも”間瀬海岸”ってところがあって、そこにも海の家がいっぱいあるからそこまで行ってみては?」と言われる。まぁ、足痛いんですけどね。

そんな訳で仕方なく次の間瀬海岸へ。地図を見ると途中にかなりくねくねした道がある。どうやらちょっとした峠道のようだ。前途多難だが、先へ進む。

するとしばらく行ったところで案の定6%の上り坂が始まった。足が痛いが頑張らなければならない。せっせと2kmほど登ると、今度は下りかと思いきや勾配が8%になってさらに上りが続いていた。8%なら普段ならきつめだけど何とかなる程度の勾配だ。ただこのときは本当に足が痛かったので正直途方に暮れてしまった。ただ、こんなところでへばっていてもしょうがない。気を取り直して坂道に進んだ。

うう、ツライ・・・。日は暮れて影が長く伸びるようになり、空はどんどん曇り始めて強い風も吹き始めた。膝だってかなり痛いし、頭は不安でいっぱいになる。道には誰もいない上に車もほとんど通らないので坂に向かって「なめんなー!」とか一人でわめきながら登った。

そして17:00近くになってなんとか間瀬海岸到着。空いている海の家を一軒見つけ、飛び込んで素泊まりをやっているか、値段はいくらか聞いた。すると3000円で良いよと言われる。3000円か・・・。まぁYHだと思えばいいかな・・・と思い、お金を払って今日は宿を取ることにした。


部屋は2階だったのだが、膝が痛くてまともに階段が上れなかった。それでも何とか荷物を運び込み、部屋のエアコンを入れてとにかく一息を付いた。ふぅ、3000円かかってしまったが少なくとも今日は安泰である。



↑海の家兼民宿でほっと一息。何はともあれ今夜の雨はしのげる。一応風呂もあるから膝をとにかく休めよう。宿を取ったからには有効活用しないとね。


その後海の家の前で自炊をし、いつも通りカレーとスープ、パンにカロリーメイトを食べた。その後風呂に入ったが、誰の物とも分からない謎のトランクスが落ちていたりとシーズンオフの臭いがプンプンする風呂だった。まぁ少なくとも汗は流せたのでさっぱりし、冷房を効かせた部屋でのんびりと旅行記のまとめをする。



↑だいぶ焼けてきた足。ひどいコントラストです。


テレビが置いてあったので久しぶりにボケーッとニュースなんかを眺めたり今後の天気をチェックしたりしていたらいつの間にか11時を過ぎてしまい、あわてて布団に入った。ペダリングミスで今日は膝を痛めてしまったから明日からは気を付けよう。この膝も明日までに治ってると良いな。


走行距離:111.01km(累積1469.19km)
走行時間:5:52:31
平均速度:18.9km/h
最高速度:50.5km/h




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