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 03'夏ツーリング 北海道→鳥取 自転車野宿一人旅


■15日目(03/09/04/木)編

15日目の旅行記を書こうとして驚いた。写真が銀鉛・デジカメあわせて2枚しかないのだ。がむしゃらに走り続けた一日・・と言う訳でもないのに、不思議である。今日は文字ばっかりだが、勘弁していただきたい。

そんな一日は5:15にテントを雨が打つ音で目を覚ますところから始まった。テントのフライシートを大きめの水滴が打っている感じで、「ポツッ、ポツッ」という音がテント内に響く。おかしい、今日は雨が降らない予報じゃないか。朝に雨が降っているとテントの撤収が恐ろしく面倒くさいのであわてて外に飛び出すと、外は快晴とは言わないが雨でもなかった。

じゃぁなんだ?と調べると、東屋の屋根に夜露が着き、それがテントの上にたれてきているようだった。よくよくテントを見るとこちらも夜露がすごい。フライシートを指ではじくとザーッと水が垂れた。これは撤収が大変だな・・・。そう思いながら朝食の準備に入る。多少は朝日で乾くだろう。

今日の朝食は昨日の間に考えておかなかったので「何があるんだっけ・・・」とサイドバッグを漁ると醤油味のラーメンとしお味のラーメンが出てきた。片方はチャルメラで、片方はサッポロ一番。ラーメン一袋じゃ全然足りないが、だからといって別々に調理するのもめんどくさいので別ブランドのラーメンをまとめてゆでてみる。麺の細さが違うのでゆであがりも違うがその辺りは無視してゆで、しょうゆ味のスープで味を付けてみた。
これがいざ食ってみると意外とまずい。当たり前か。フィーリングでゆでてみたが、片方は生ゆでで片方はゆですぎだった。まぁこの際仕方がないのでしっかり食べ、後かたづけをする。

そんなことをしている間に昨日の野宿仲間達がどんどん出発していく。チャリダー二人組は自炊しないらしいので近くのコンビニまでさっさと走ってしまうらしい。XR-BAJAの人もテントを畳んで食事も取らずに出発していった。自分も急いで撤収を済ませ、日焼け止めをばっちり塗って7:00に出発した。

何度も使い回してきた500mlのペットボトルがいい加減汚くなってきたので近くのコンビニで処分し、新しくペットボトルを仕入れる。もちろん、いつも通りジャムとパンも購入した。

道の駅「鳥海」を出発後1時間ちょっとで次の道の駅「庄内みかわ」に到着した。パンを食べ、トイレに行った後出発・・・しようとしたところでふとタイヤの空気圧が気になり、押してみるとあらら、だいぶ空気が少なくなっているじゃありませんか!急いで携帯ポンプでシュコシュコと空気を入れてやり、気を取り直して出発。
するとどうだろう、えらいペダルが軽く感じるではないか。空気圧管理は基本中の基本なのに、無駄なことで踏力をロスしていたらしい。まぁ今気づいただけ良しとしよう。

途中のコンビニでジャム・パン・カレーというおきまり三個セットを購入し、のどかな田舎道を走っていたら徒歩ダーを発見し、声をかける。おっとりした顔つきの俺よりちょっと年上のその人は顔に似合わず(失礼)とにかくガタイが良かった。腕は太いし、胸板もすごい。
ちょっと話しているとなんと出身地は俺の住んでいるところの近くだった。旅のルートを聞くと神奈川を出発して太平洋側を回って北海道へ行き北海道を一周。その後日本海側を回って南下中らしい。この後はずっと南下して九州へ行き、四国を回ってから北上して神奈川に帰るらしい。すごいスケールだ。一日歩いて30km程度しか移動出来ないとか。旅が終わるまでどれくらいかかるのだろうか・・・。

すぐに金のことが頭に浮かんでしまうケチな俺は「資金とかどうしてるんですか?」と思わず聞いてしまった。徒歩だと自転車の3倍は時間がかかるからハンパな資金じゃ日本一周は出来ない。すると、「いや、自衛隊にいたんで金はいっぱいあるんですよ」とサラっと言われた。なるほど、そのマッチョな体は自衛隊謹製ですか・・・。

そんなことを話してから「気を付けて!頑張ってください!」と一声かけて別れた。彼は2003年12月現在、きっと今もどこかを歩いているのだろう。ちょっとだけうらやましかったりする。


途中田舎の小学生に昨日に引き続き「がんばれ〜」と応援されつつ走り、道の駅「あつみ」に到着。休憩室のようなところでパンを4枚食べつつ、今後の予定を立てる。
どこか良いところはないだろうかと地図を眺めていると、ちょうど良いところに道の駅を発見!しかも2kmほど離れたところに温泉まで有るではないか。問題は海沿いの道をそれて山の中へ入ってしまうことだが、見る限りそこまで勾配がひどい訳でもなさそうだった。

問題はそっちの道に行ってしまうと日本海有数の景勝地「笹川流れ」を見ることが出来ないことである。しばし悩んだが、やっぱり風呂は捨てられず、道は険しいが山中ルートを取ることにした。そうと決まればすぐに行動しないといけない。ちょっと頑張らないと日が暮れる前に到着出来ない距離だった。



↑しばらくして新潟県入り!東北を抜けたぜ! これが9月4日の貴重な一枚。


新潟県に入って5kmほどで海沿いの道が分岐し、山へと入っていく。地図では読み取れないちょこちょこした勾配が行く手を阻むが、ガシガシ漕いで進んでいった。勾配がきつくて足が疲れてきて、もう休もう・・・と思ったところでトンネルが出現・・と言う感じにいい足休めができ、そこそこなペースで走ることが出来た。
一つのでかい峠が一個ではなく、小高い丘が連続するような道は走っていて爽快感があんまり無いがペース配分的には走りやすい。

そして葡萄峠(176m)を越え、16:10に道の駅「朝日」に到着した。
観光案内所が開いていたので地図上では2mk先にある温泉「まほろばふれあいセンター」の場所を聞く。すると、「この地図上では離れていますが、実際にはこの建物の裏がまほろばふれあいセンターですよ」と言われた。なにー!おかげで余計に2km走らなくて済んだから良いのだが、ツーリングマップルのランドマークもえらいいい加減だなぁ。

昨日に引き続き今日も温泉で時間をつぶすことにし、「まほろばふれあいセンター」に向かうとツーリング中と思われる自転車二台が止まっているのを発見。どうやら今日も野宿仲間がいそうだ。


温泉でゆっくりした後トイレの流しで米をといでいると一人のおじさんに話しかけられ、食事を作りながらベンチに座って色々と話しをした。
その人はトラックの運転手。鉄製の遊具を作る会社の人で、分解された遊具を日本全国に運び、現地で組み立てて帰ってくる仕事をしているらしい。旅ではなく仕事でだが、「日本全国沖縄から北海道まで行ったことがないところはない」そうな。安定した仕事ではないかも知れないが、そういう仕事も楽しそうだな・・・なんて思った。

おじさんは今日も山形県で仕事を終え、群馬の本社に帰る途中らしい。高速道路を使えば今日中に群馬には帰れるが、夜遅くなってしまうから道の駅で温泉につかって一杯やって寝てから帰るらしい。夕食にいつも通りカレーやスープを食べつつ、あれこれ1時間以上話したのだろうか、最後におじさんは「これでも飲みな」とビールを一本くれた。発泡酒ではなくビールである。



↑サッポロ黒ラベルである。初めは遠慮したが、勧められたのでありがたくいただいて飲んだ。ちょっと肌寒い道の駅のベンチでゴロゴロしながら、空を見上げて飲むビールは格別だった。「今、旅をしている」という実感がものすごくわいてきて、なんとなく一人で感動していた。


しばらく旅情に浸った後、建物の軒下にテントを張る。トラックのアイドリングがうるさいので建物を挟んで駐車場の反対側に設営した。涼しくて気持ちの良い季候なのに、わざわざアイドリングで冷房をかけているトラックの運転手が多い。ビールをくれたおじさんも言っていたが、ほとんどクセなんだろうね。


そろそろ寝ようかとしていたところで先ほど温泉で見かけた自転車二人組がやってきた。聞くと日本縦断中で、宗谷から佐多岬へという大まかなルートが俺と同じだった。今まで走ってきたところもかなりカブっている。二人の内の片方の人は自転車屋でアルバイトをしているらしく、しばらく自転車談義をした後お休みなさいと挨拶を交わして別れた。彼らはちょっと離れたところにテントを張っているらしい。遊びに行こうかと思ったが眠かったのでやめて、テントに潜り込んだ。
彼ら二人組とはこれから数日間抜きつ抜かれつ一緒に走ることになる。


ここ二日間、ゆっくりと温泉に浸かれてツイている。汗でべとつかないさらさらの状態でシュラフに入り、心地よい眠りについた。ちょっと離れて聞こえるトラックのアイドリング音も慣れると気にならなかった。


走行距離:119.07km(累積1358.17km)
走行時間:6:36:12
平均速度:18.0km/h
最高速度:45.5km/h




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