TOP野宿旅北海道→鳥取自転車野宿一人旅

 03'夏ツーリング 北海道→鳥取 自転車野宿一人旅


■14日目(03/09/03/水)編

昨日の夜ギターを弾いていた謎のオタク少年二人組は朝の5時頃起きて出発していった。俺は野宿ではなく宿を取ったときはあんまし早起きしないので6:00に起床。まぁそれでも十分早いが。

昨日宿を取った理由には、「ちょうど良い場所がなかった」以外に「夜半過ぎから雨という天気予報」があるのだが、外を見ると雲行きは怪しいものの雨は降っていない。朝焼けがきれいだった。
本当にこの旅に出てからまともに天気予報が当たった試しがない。それも雨が降る時間が予報とずれるような優しいものではなく、雨の予報→晴れ、晴れの予報→雨という具合に正反対なのである。屋外生活で旅をするものにとって、正直これは閉口した。

そんな中、食パン4枚とジャムといういつも通りの朝食を摂り、出発の準備にかかる。自転車置き場と部屋が敷地のほぼ対角にあり、なおかつ自転車置き場:一階、部屋:二階という風に離れているため準備に手間取るが何往復もしてやっと荷物と水を積み終える。毎日自転車で一日中走っているのに何を言うと言われそうだが、正直この作業だけで疲れてしまった。

そして8:00、相部屋だった18きっぷツアラーのtaroさんに別れを告げ、出発。



↑秋田県のYH「ユースパル秋田」。ごらんの通りかなり設備の良いYHです。部屋も設備もまるでホテルのよう。YHに「アットホームさ」を求めるのでなければこれ以上のYHは無いでしょう。料金も会員なら2000円+税と普通のYHよりも安い。オススメします。


外は風がやや強かったが風向きは追い風。うん、出だしは悪くないぞ。
ややアップダウンのある海沿いの道をちんたら走り、1時間10分後の9:10に道の駅「岩城」に着く。結局雨降らなかったんだから昨日ここまで頑張っても良かったのに・・・。天気予報め、やってくれるぜ。



↑道の駅の休憩所でジャムパン休憩。俺が旅している間、そこら中でこうやって食パンにジャムを塗って食べていました。カメラのアングルが悪くて写っていないけど、窓からは日本海を見渡せる良いところでした。きっと夕日はきれいなんだろうな。


パンを食べたあと簡単な展望所のようなところまで足を運ぶと、おじさんに話しかけられた。「すごい荷物だね、がんばって」と言われる。こういう事はよく言われるが、結構うれしいものだ。


道の駅「岩城」を出発し、さらに2時間走ると今度は道の駅「西目」に着いた。
ここは田舎に良くあるでかいショッピングセンターと隣り合わせだったので、隣のショッピングセンターにあったMaxValuでおきまりの食パンとジャムのほか、安いおにぎりや今日の夕食の食材などを適当に買い求める。
あれこれ買って店の外に出ると、一人のおじさんが近づいてきた。あれ、よく見るとさっき道の駅「岩城」で声をかけてくれたおじさんではないか。「さっき岩城だったのにもう西目かい。速いね。途中で車で追い越したんだけど、妻と一緒に速いね〜って話してたんだ」とのこと。聞かれたので宗谷岬から走っていることを伝えると驚いていた。



↑別れ際、「これ飲んで元気出して」とヤクルトのようなものをいただいてしまった。


「気をつけてね」と一言言われ、挨拶を交わして別れる。おじさんの乗っている車(ステーションワゴン)には「北海道道の駅スタンプラリー完全制覇」のステッカーが貼ってあり、助手席には奥さんと思われる人が座っていた。おそらく定年後、二人で車であちこちを旅して回っているのだろう。そんな生活もいいな・・・なんて思いながら見送った。


道の駅「西目」の休憩室でさっき買ったおにぎりとジャムパンを食べ、再び出発。そしてさらに1時間30分走って今度は道の駅「象潟(きさかた)」に着いた。
この辺りの道はただ淡々と何もない海沿いの道を走り続けて距離を伸ばすだけでこれと言って書くようなことがない。旅行記を書いていてなかなか困る土地である。改めて旅のメモを読み直すとなんか「道の駅ラリー」でもやっているような感じだが、それしか記録にも記憶にも残っていないので仕方がない。
逆に何もないからこそ道の駅という良い休憩ポイントがあってありがたいのだが・・・。


道の駅「象潟」でもやはり食パンにジャムを塗って食べる。走る→道の駅へ着く→パンにジャムを塗って食べる→出発するという繰り返しを今日は何回やったのだろう。なんだかデジャヴでも見ているような感じだ。というか、食い過ぎやねん、俺。



↑道の駅「象潟」にあった超特大スタンプ。見たときは思わず笑ってしまった。しかもこいつ、見かけによらず軽くて片手でも持てる。一緒に新聞に載ったときの切り抜きが展示してあったが、「道の駅のシンボルにしてもらえれば・・・」と書いてあった。シンボル・・・ねぇ・・・。


約20〜25km先の次なる道の駅を目指して再び出発し、変わり映えのしない道をまたちんたらと走る。何時間走ったあとだったろうか、ちょっとした山道にさしかかりギアを軽くして登っていると、学校帰りの小学生の集団とすれ違った。そのとき、小学生から「がんばれー」と応援され「ありがとよ〜」と返事を返すと話しかけられたので停車した。この辺りの小学生は積極的だな。

ただ、いきなりの質問は「家無いの?」である。思わず転びそうになった。まぁ、ホームレスと区別が付かないと言われればそれまでだけどさぁ。会話は以下のような感じである。

小学生:家無いの?
俺:いや、あるよ。神奈川に。今旅をしているんだ。
小学生:神奈川ってどこ?
俺:んーと、東京の隣。
小学生:ご飯はどうするの?寝るときどうするの?○×△〜(大勢で話され聞き取れない)
俺:食事は自分でご飯炊いて食べてるんだ。寝るときは後に積んであるテントと寝袋で野宿だよ。

ここで俺がテントと寝袋を指さすと、なぜか小学生達がシュラフをボコボコたたき始めるではないか!なんだ、なぜなんだ?!

そんな風に軽く会話していると、いきなり「じゃぁな!」と言われてしまった。
なんだよ、あっさりしてるな。



↑急いでカメラを取り出し、写真を撮らせてもらった。元気なヤツらだったな。


にぎやかな小学生達と別れ、再び一人になる。聞けば良かったのだが、彼らの平均通学時間ってどれくらいなんだろうか?出会ったのは家も何もない山の中である。しかもそこそこ傾斜のきつい場所。毎日こんなところ通っていたらさぞ健康になるだろうなぁなんて考えてしまった。学校の登校門まで家から走って30秒だった都会っ子の俺にはいまいち見当が付かない。

そこからしばらく走ると、こんなものが見えてきた。



↑お〜!YAMAGATA!!北海道を出て青森→秋田と走り、とうとう山形へ!こういうのを見るとがぜんやる気が出てくる俺でした。



↑秋田と山形の県境から少し走ったところにある「十六羅漢岩」という名所(?)
写真では見にくいが、波打ち際の岩に16体の仏像?が掘られていた。一応説明の掲示もあったがめんどくさいので写真だけ撮って出発してしまったが、今更ながら何だったのか気になる。
ま、いつかまた行けば良いんだよね。


そして16:00、道の駅「鳥海(ちょうかい)」に着いた。今日の走行距離は90kmちょっと、まだ日も完全には暮れていないので先へ進むかかなり迷ったが、地図を見てもこの先良さそうな野宿ポイントはないし、ここならうまい具合に近くに風呂もある。少しもったいない気もしたが、今日はここに泊まることにした。

さっそく道の駅を偵察するとお店が閉まるのは19:00な事が分かった。店が開いている間にテントを張ったりすると色々問題がありそうなので、ゆっくり風呂にでもつかって時間をつぶすことにした。



↑道の駅「鳥海」から自転車で数分のところにある温泉「あぽん西浜」。自分の持っているツーリングマップルには「あぼん西浜」と誤植されていて笑ってしまった。某巨大掲示板じゃあるまいし・・・。


あぽん西浜でゆっくりと体を洗って湯船につかり、あがったあとも新聞を読んだりテレビで明日の天気予報(どうせハズれるだろうからあまり意味はないが)を見たりしながら時間をつぶして18:00ごろ道の駅へ戻る。
道の駅へ戻ると、俺と同じく荷物満載の自転車二台が!おお、仲間かも知れない。早速話しかけると、俺と出発地点が正反対ではあるが同じ日本縦断チャリダーだった。彼らは鹿児島から出発して北を目指しているらしい。話を聞くと、九州では猛暑で本当に大変だったそうだ。お互い良く焼けているが、彼らの方がすごいことになっている。暑さが苦手な俺としては北から出発して本当に良かったと心から思った。

夕食を食べていたようだが、コンビニ弁当とビールという組み合わせを見て聞くとやはり自炊はしないとのことだった。自炊しないから荷物が少なくてサイドバッグも後にしか着けていなかったが、その軽量化のおかげか一日に120〜160kmは走るそうだ。すげー。

そういう俺は自転車で走ることだけでなく、野宿や自炊も「旅の楽しみ」と考えているので自炊しないで旅することはほとんど無いだろう。旅には人それぞれ色々なスタイルがあるね。


道の駅の端にベンチ付きの東屋があったのでそこに自転車を移動し、米を炊いてカレーとみそ汁で夕食にした。カレーを食べているとさっきの日本縦断チャリダーも横にやってきて、こっちを見て「米炊いてるのか!」と驚いていた。まぁ走るのがメインだと驚くかも知れないね。

夕食はカレーとみそ汁だけでは足りず、それに食パン2枚を追加して食べていたらXR-BAJAに乗ったバイク乗りもやってきて、やはり東屋の近くにテントを張り始めた。今日は久しぶりに一人だけではない野宿。別に知り合いでも何でもないけど、一緒だと何となく安心する。



↑暗かったのでカメラのAFが効かず、暗視スコープで見たような画像になってしまったがこれが本日の寝床。下は芝生でナイステントサイトだった。


お腹もふくれたところでトイレを済ましてテントに潜り込み、掲示板へのカキコ、今日のまとめを済まして21:00過ぎに眠りについた。


走行距離:92.98km(累積1239.10km)
走行時間:5:23:14
平均速度:17.3km/h
最高速度:39.0km/h




<前の日   一覧へ戻る  次の日>

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送