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 03'夏ツーリング 北海道→鳥取 自転車野宿一人旅


■10日目(03/08/30/土)編

6:30にハッと目を覚ました。昨日の夜皆さんに「お休みなさーい」と言った記憶がない。どうやら急に眠気に襲われて倒れるように寝てしまったらしい。毎夜している掲示板のカキコもやる前に寝てしまったようだ。
昨日の夜の内にやっておこうと思った荷物の整理や携帯の充電なども何も出来ていない状態に少し焦る。というのも、今日は9:00に函館港を出港するフェリーに乗る予定なのでさっさと準備をしないとイケナイのだ。ひとまず急いでライムライトで出される朝食を食べ、荷物をまとめる。こりゃぁ忘れ物しそうだなぁ。



↑ライムライトで軽い朝食が出ることを知らなかったライダーさんが朝食を買ってきてしまったらしく、「チャリダーの人います?あげるよ〜」と言われたのでありがたくちょうだいした。ジェイミス乗りのチャリダー君と分けて食べる。ライムライトの朝食は「出るだけありがたい」程度の量なのでこれくらい足しがないと腹が減ってしまうので助かった。


大急ぎで荷物をまとめ、自転車にサイドバッグをくくりつける。そんなふうに焦って作業をしていたときのこと、洗面用具入れに手を突っ込み手探りで歯ブラシを探していたら手に痛みが!よく見るとヒゲそりの安全キャップが外れて刃が丸出しになっていて、手の甲をざくざく切ってしまっていた。まったく、焦るとロクな事がない。



↑ライムライト前で準備中に記念撮影。俺の右に写っている人もGIANT乗りのチャリダーさんです。


記念撮影を済ませ、RHで同室だった人に挨拶をして大急ぎでRHライムライトを出発する。オーナーのシナチクさんは犬(ライム君)の散歩に出掛けていて不在だったので挨拶し損ねてしまった。
フェリー出航まであと1時間。フェリー乗り場まで30分はかかることを考えるとかなりギリギリの時間だ。大急ぎで自転車を漕いでいると、ふと思い出した。「ぬぉっ、携帯を忘れてきた!」さすがに放棄する訳にもいかないので、泣く泣く取りに戻る。これで往復2km近いロスになる。

「もう朝一番のフェリーには間に合わないかもしれない・・・」
そんな気持ちを胸にしつつも、諦めず函館の街をかっ飛ばす。まさに爆走。装備満載でかなり重量のある自転車と俺は走る凶器となって函館市街を爆走し、フェリー乗り場までの約8kmの道のりを30分弱で走り、何とかフェリーに間に合わせることに成功した。



↑窓口が閉まる直前にフェリーのチケットをGET。あぶねー。学割をきかして1450円だった。



↑フェリーの乗船口で自転車入船の順番を待つ。まずバイク、次に車、次に自転車という順番だ。暇なので写真撮影。



↑フェリーに乗ったら必ず撮ってもらう内部の写真。千葉房総半島の旅、静岡・愛知・三重の旅に続いて三度目のフェリー。なんかだいぶ慣れた気がする。

排気ガスで充満しているフェリーの船底をさっさと後にし、タラップへ登る。
出航の汽笛を聞き、しばらくの間離れていく北海道をじーっと眺めていた。



↑さらば北海道。必ず・・・、必ずまた来るぞ!


しばらく北海道を見送った後、二等船室へ。1時間40分の短い航海だが、まぁ焦って走った分くらいはゆっくりしないとね。



↑二等船室の様子。長距離フェリーの場合はこういう所で寝ることになるのかな?俺は長距離フェリーに乗ったことがないから分からないが、どちらかというと船酔いするタイプなので、いつか北海道へバイクで行くときのことを考えると心配だなぁ。先のことを心配しすぎだって?いや、マイナス思考な人間なんで(笑)

二等船室をウロウロしているとRHライムライトにいた人たちを見つけ、到着までの1:40ダラダラとしゃべって過ごした。「よくチャリで間に合ったな!」と驚かれてしまった・・・。これから別の目的地を目指す人、ひたすら下道を走り中部の方まで帰る人など様々。旅人それぞれにそれぞれの計画やルートがある。そんなことを実感してみたりした。当たり前のことだけどね。


やがてフェリーは大間港へ着き、皆さんと別れを告げて船底へ戻る。自分の自転車の所へ戻るともう一台キャンピング装備の自転車があり、大学生のチャリダーがいた。詳しくは話さなかったが俺と同じで南を目指しているみたいだった。



↑下船し、まず最初の目的地である本州最北端「大間崎」の位置を地図で確認する。奥に見えるのがその大学生チャリダーさん。後から気づいたが乗ってきたフェリーの名前は「ばあゆ」という名前だったらしい。なんだか変な名前だな。漢字で書いて「婆湯」とかだと嫌だぞ。


フェリーターミナルから田舎の漁村地帯という感じの道をひたすら「大間崎→」という案内看板を頼りに走り、20分ほどで大間崎に到着。ここでもライムライトであった人に再開し、写真を撮ってもらった。強風だったので三脚を建てるのが大変だったから助かった。



↑まず一枚目。「ここが本州最北端の地」と書かれている。石の上の台に上ってポージングしてやろうかと思ったが撮影待ちしているっぽい人がいたのでやめた。



↑もう一枚目。この旅の第一の目的地が宗谷岬で、第二の目的地が大間崎。次の目的地はない。あとはひたすら、南下するのみ!!


ここでライムライト組とはお別れ。「気をつけてね!」「そちらこそ!」と声をかわし、別れた。

近くにチャリダーを一人見つけたので、ちょっと声をかけてみる。名前や出身は聞かなかったが、エンペラーツーリングマスターに乗った彼は人の似顔絵を描きながら日本一周をしているそうだ。そういうスタイルもありかな・・って思う。オルトリーブのサイドバッグがうらやましかった(完全防水で雨の時に大変便利だが、かなり高価)

大間崎を出発し、さて南下!というときになって重大なことに気が付いた。「昼飯が無い」。焦って函館を出発したためコンビニで調達する予定だった携帯食料の類は手に入れることが出来なかったので、とにかくどこかで何かを買わないといけない。しばらく我慢して走るという案もあるが、結構腹が減っている上に地図で見るとこの先当分は何もなさそうな気配だった。
大間町をうろつき、何か無いか探す・・・が、マジで何もない。フェリーターミナルと大間崎の周辺にはおみやげ物屋と食い物屋があったが、そこからちょっとでも離れると車の音すらしない超田舎。気持ちの良い日差しに「チュンチュン」という鳥のさえずりが聞こえ、「ああ、田舎だなぁ」ってしみじみと感じてしまう。
観光客相手の食堂でこの際食事を取ろうか考えたが、どれもこれも観光客向けの高価な海鮮丼ばかりでとても食べる気にならず、頑張って雑貨屋かスーパー(出来ればコンビニ)を探す。

しばらく大間町内をうろついていると、郷土雑貨を売っている店を発見し、中へ入った。お店のおねぇさんに「このあたりでコンビニみたいなものはありませんか?」と聞くと近くにサークルKがあることを教えてくれ、丁寧に道案内をして食えた。津軽訛りの美人のおねぇさん、ありがとう!

空腹をこらえてサークルKまでの道をとばし、何とか発見。1000KCalを余裕で超えている大盛り牛丼と食パン、ジャムを購入し、店先で牛丼をかっ込む。
「食パンとジャム」と言う組み合わせは函館のRHライムライトで同室になったスポルティーフ乗りの人から教えてもらった技で、今後の旅路でものすごく役に立つことになる。今までバタースティックパンやチョコチップスナックパンなどを適宜買っていた俺にとっては目から鱗の技だった。そうか、その手があったか!と言う感じ。


腹ごしらえをし、今度こそ本当の出発。国道279号線むつはまなすラインをひたすら南に向けて走る。途中軽い峠もあったが、一日休養したのでそんなに苦労せずに攻略。フェリーで会った大学生チャリダーと抜きつ抜かれつしながらひたすら走った。午前中は写真が多いが、午後は全然写真を撮らずにひたすら走りつづけた感じだ。

午後4時頃、ちょっと小腹が空いたのでむつ市内の小学校の脇に座って食パンを食べる。掲示板をチェックするとどうもこれから天候が優れないとのこと。レインカバーが必要だな・・・と思っていたら思い出した!そうだ、RHライムライトにレインカバーを置き忘れてきてしまった!
今更思い出してももう遅い。重要だが、そんなに値段の張る物でもないので(100円ショップの商品の流用)近くのコンビニからライムライトにTELを入れ、処分してもらうように頼んだ。ついでにオーナー「シナチクさん」に「来年行くかもしれないんで、そのときはまたヨロシクお願いします」と伝えた。
それにしてもこれはまずい。レインカバーが無いとなると雨での行動が制限されてしまう・・・。ああ、困ったなぁ。早いところダイソーを見つけて新しいレインカバーを手に入れなければ。


ところで、今日は朝から肩がかゆい。ポリポリかくと指先に水が着くので、「汗でもかいているのかな?」と思って袖をめくってみたら驚いた!

↑写真では分かりづらいけど、無数の水ぶくれで覆われています!書いたときに指先が濡れたのは、これを知らず知らずのうちにつぶしていたのが原因だったのか・・・!
「半袖焼けはダセェ」と調子に乗って肩まで焼きまくったのが災いしたようで、しばらくはこの水ぶくれと戦うことになる。が、このさき腕、手、足と水ぶくれの連続来襲に遭うことはまだ予想していなかった・・・。


そしてまた1時間ちょっと走り、道の駅「よこはま」についた。東北にも「横浜」があるんだね。こっちは神奈川のそれとは違って「横浜町」だけど。

時間は5:30。近くに温泉もあるようだし、今日の野宿地はここで決定。
道の駅「よこはま」には先客がいた。ビアンキのクロスバイクに乗るどこかの大学の大学院2年生さん。明日は雨らしいので軒下にテントを張るのが良いですね・・のような話をしたら、彼はテントを持っていなかった。どうやらマットとシュラフだけでツーリングしているらしい。スゲェなぁ。

まだ土産物屋がやっていたので、中に入って土産物屋のおばちゃんにツーリングマップルに載っていた近くの温泉「横浜温泉」の場所を聞く。口だけの説明では分からなかったので地図まで書いてもらった。気さくなおばさん達で、ちょっと長話。俺の出身が関東だと知ると「私たちの会話は理解できる?」と聞かれた。どうも津軽弁の事を言っているらしい。「ちょっと訛りを感じますが、全然通常会話には問題ないですよ」と答える。他にも

おばさん:関東からはどうやって北海道まで行ったの?
俺:飛行機です。スカイメイトを使って安く行けました。
おばさん:スカイメイト?
俺:22歳まで有効なANAの制度で、予約が出来ない変わりに空席があれば半額で乗れるんですよ。
おばさん:あら残念、私は一年遅かったわ〜オホホホホホ
俺:アハハハ(呆

てな感じ。オバサンパワーに圧倒されつつも、お礼を告げて道の駅を後にして温泉へ。
地図通り走って無事「横浜温泉」を発見し、入る。が、中で軽いカルチャーショックを受けてしまった。おじさん達の会話がまるで分からないのだ。脱衣所で会話を交わしているおじさん達の言葉を一生懸命聞き取ろうと聞き耳を立てても、全く何を言っているのか分からない。これが津軽弁か・・・と生で体感してしまった。こんな人に話しかけられたらどうしようかなぁと心配になってしまう。



↑風呂から上がった後、道の駅で夕食を。今日は久しぶりにカレーじゃなくて中華丼。うん、うまい。ビアンキのクロスバイクに乗った人に「自炊なんですか!」と驚かれる。彼は食事も外食派らしい。テントなしの自炊装備無しだからあんなに荷物が少ないのか・・。でもなんとなく走るだけの旅になりそうだし、俺はやっぱり自炊したいな・・なんて思った。


食事を取り終わった後片づけをしていると一人のおじさんに話しかけられた。キャンピングカー仕様に改造したワンボックスカーで旅をしている人らしい。北海道をぐるっと一周してから東北に下りてさらに旅を続けているらしいのだが、この人がくせ者だった。
どうも北海道で相当嫌な目にあったらしく、「北海道の運転マナーは最悪だ。もう二度と行かん!だが函館は好きな街だからまた行くかもしれんが、北海道はもう二度と行かん」などと無茶苦茶なことを言い出す。そんなこと俺に言われても・・と思うが、「ハァ、ハァ」と適当に相づちを打って流す。
すると次に俺が自転車で旅していることを知ると、「自転車は良くない、今回限りにしなさい」などといきなり説教モード(笑)
「自転車は昔と違って車が増えた今では危ない。バイクも危ないと思っていたが知り合いのバイク乗りは車もバイクも同じだと言っているからバイクはそうでもないようだ。でも自転車での旅行は危ない。とにかく今回限りにしなさい」などとのたまう。知り合いに「バイクの危険性は車とそう変わらないよ」と言われて素直に飲むくせにどうしてまた自転車に対してはえらい厳しいんだか。
「うっせー、俺の旅にケチつけんなボケ!」と言いそうになるが、「そうっすねぇ、でも自分の旅のスタイルですし・・・」とあまり気にせず流した。


そんなおじさんに開放され、街灯の下で今日のリザルトをまとめたり地図を見て明日のルートを決めたりしていたら再びおじさんが登場して、「これを食いな」と生のトウモロコシをくれた。生ですか・・・。「7〜8分ゆでれば甘くておいしいよ〜」と言われる。うーん、生のトウモロコシをくれてもなぁ。ガスももったいないし・・・とは思ったが、せっかくの好意だし、「ありがとうございます」とお礼を言う。まぁ明日の朝にでもゆでてみるか・・・。



↑もらったトウモロコシ。もうちょっと調理の簡単な物が欲しかった。欲を言っちゃダメか(笑)


どうも明日は明け方から雨らしいので、自転車とテントを雨のかからない軒下へ移動し、モソモソとテントに入って掲示板にカキコなどを済ませ、10時頃寝た。今日は函館を焦って出発してからずいぶんよく走ったな・・・なんて思いながら、眠りに落ちていった。


走行距離:96.19km(累積828.86km)
走行時間:5:16:20
平均速度:18.3km/h
最高速度:46.0km/h




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