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 03'夏ツーリング 北海道→鳥取 自転車野宿一人旅


■8日目(03/08/28/木)編

国道5号線という高規格国道の脇にある道の駅のためトラックや車の騒音が激しく、また前日からの下痢で夜中に何度も目を覚ました。そんな訳で全然寝足りない気がするが渋々5:30の携帯目覚ましで目を覚ます。おばあちゃんもちょうどそのころ起き出してきた。

建物の反対側にふと目をやると、昨日いなかったチャリダーがテントも張らずに寝ていた。夜中にやってきたのだろう。後で起き出したら話しかけようかな。
腹の具合は相変わらずいまいち。食料はパン程度しか持っていなかったので、ひとまず朝食は食べずにスタートし、近くのコンビニで消化の良いものを買って食べることにした。

おばあちゃんと色々話をしながら撤収作業をする。天気予報を調べると午前中はくもりで、午後から雨が降るそうだ。昨日頑張りすぎたせいで函館までもう50kmを切っているから、午前中の内に函館について宿を取れると良いな・・・。



↑出発前に再びおばあちゃんと記念撮影。ボロボロの自転車で本当によく走る人です、このひと。


「一緒に撮影した写真を後で焼き増しして送りますよ」と伝えると住所を教えてくれ、なおかつ「焼き増し代よ」と1000円もくれた。多すぎるし別に焼き増し代なんて大してかからないからもちろん断ったが、結局押しつけられてしまった。これは何か写真と一緒に送ってあげないとね。

俺がこれから函館に行き、フェリーに乗って本州の大間先へ行くことを告げるとばあちゃんも「それは良い案だ」と乗り気に。十分北海道は回ったから、これから本州へ行こうとしているらしい。まさか京都まで自走で帰るつもりじゃねーだろうなぁ・・・。

「あたしゃこれからトイレ行って、コンセントで携帯電話充電したら出発するわ。それじゃぁね」と言われ、おばあちゃんと別れる。俺も出発準備は整っていたが、ちょうど向かい側で起き出したチャリダーに話しかけてみた。


そのチャリダーは俺より一つ年下で、S大学に通うK君。ブリヂストンアンカーに乗っていた。昨日は温泉でゆっくりしすぎて到着が遅くなってしまったらしい。近くを見ると酒瓶が転がっていた。お前俺より一つ下だろ・・・。「酒飲んでるのかっ!?」と聞くと「いやぁ、酒飲まなきゃ気分でないッスからねぇ」と答える。俺も時々買って飲むけど、酒瓶を持ち歩いているチャリダーは初めて見た。世の中には色々なヤツがいるもんだ。



↑K君と一緒に。笑顔の爽やかな、いかにも「チャリダー」って感じのヤツだった。


K君は森駅の有名な駅弁「いかめし」が食べたいらしく、これから駅周辺をたむろして探すそうだ。俺は海産物がそんなに得意でないし、さっさと函館に着きたかったのでここで別れる。
冷たい風が吹き、かなり寒いのでレインスーツの上を着て6:50に出発した。どうせ日が昇ってくれば暖かくなるだろうからあまり厚着をしないのがコツだ。
出発してすぐのところにあったセブンイレブンに入り、油っぽくない具のおにぎり二つとウイダーインゼリーで朝食とする。今日一日、油分の摂取を極力控えてなんとかお腹を治さなければ・・・。

セブンイレブンで朝食を食べていると、おばあちゃんが目の前を通り過ぎる。「あら、ずいぶんゆっくりねぇ」と言われてしまった。いや、体調崩しているもんですから(笑)
ちょうど食べ終わったところだったのですぐに走り出し後を追う。が、おばあちゃんはなかなか速い!昨日からお腹を壊しているせいでまともな食事が取れていないから力が出ず、ついて行くのがやっとだ。しばらく後ろを走っていたが、おばあちゃんが「先に行きなさい」という感じで道を譲ってくれたので追い越した。おばあちゃん、この先も良い旅を!


途中セイコーマートで飲み物を買ったりしつつ、かなりのんびりしたペースで5号線を走る。別にゆっくり走っている訳ではなく、全然足に力が入らないためだ。やはり自転車旅では食事が重要だな・・・と思い知らされる。5号線沿いには「函館まであと○○km」というキロポストがほぼ1kmごとに立っているので、それを見ながら励みにして走る。

函館市に入るか入らないか・・・という境目のあたりを走っていると、道路の対向車線に徒歩ダー(徒歩で旅をしている人)と思われる人を見つけた。お互い気づいたようで、立ち止まって道路を間に挟んで大声で話す。が、よく聞き取れない様子で、徒歩ダーさんは車が切れるのを待ってこっちに渡ってきた。

その徒歩ダーさんはKさんという人で、大阪を3月に出発し、途中途中仕事をしながらひたすら歩いてここまで来たらしい。最北端を目指すそうだが、時期的に寒くなってきて最北端へ今シーズン中に到達するのは無理だから、どこかで仕事を見つけて冬を越すか、南下するか考えているそうだ。
しばし雑談をしているとき、俺が「お腹を壊しているんですよ・・・」と言うと「正露丸飲んでる?」と聞かれた。「いえ、持っていないので飲んでいないです」と答えると「じゃぁ僕のを分けてあげるよ。飲みな、効くよ」と言われ10粒以上分けてくれた。スゲェ臭いだから持っていたジップロックの小型版みたいなヤツで何重にも包み、一部はその場で服用した。



↑その徒歩ダーKさんと。このあと彼が持っていた「チェキ」(ポラロイドカメラの簡易版)でも同じように撮影。その写真はこの旅の大切な思い出となる。



↑Kさんは手ぬぐいを持ち歩いていて、出会った人にサインしてもらっているそうだった。俺も一筆書かせてもらう。
「いつかまた、どこかで! まごころ」

旅の出会いは一期一会と言うが、俺は旅人と別れるとき必ずこう言う。
いつかまた、どこかで――。いつかまた出会う、そのときまで。


徒歩ダーKさんは俺と逆方向なので、別れの挨拶を交わして再びスタート。もう函館は目と鼻の先だ。少しだけ走ったところにCOOPを発見し、昼食の食材を購入するため寄る。何か消化の良いもの・・・と探していたらめちゃくちゃ安いうどんを発見し、つゆと一緒に購入。合計税込み59円だった。アホかいな。


ちょうど函館市街に入ったというところあたりで雨が降り出し、レインスーツを着る。今日は函館に二つあるRH「ライムライト」か「ミートハウス」のどちらかにするつもりだったのでそれを目指して函館市街を走る。全然食事が摂れていないので足に力が入らず、まだ午前中だというのに観光そっちのけで宿探しだ。
二つのライダーハウスのうち泊まるのはどちらでも良かったのだが、どちらかというとフェリーターミナルに近いライムライトに決め、RH探しを始める。ツーリングマップルの函館市街詳細図を使って何とか近くまでたどり着くがどうしても見つけられない。

事前に「野宿旅専用掲示板」にライムライトとミートハウスの情報を調べてカキコしてくれと頼んでおいたら「めがね君」がわざわざ調べて書き込みをしてくれていたので、そのカキコの中の電話番号を使ってライムライトに電話をかけた。

俺「今日泊まりたいんですけど、空いていますか?」
ライムライトさん「空いてますよ」
俺「今○○○○幼稚園ってところの前の公衆電話にいるんですけど、どう行けば・・・?」
ライムライトさん「ああ、うちはそこから150歩ほどのところです。函館駅方面に歩いて最初の信号を右に曲がったらありますよ」

・・・・。なんだ、思いっきり近くに来ていたのに見つけきれていなかったらしい。


案内通りに走ってRHライムライトを見つけ、中に入る。おぉ、なんだかまさに「ライダーハウス」って感じの場所だな・・・。なんでも、ウェルカムドリンクと軽い朝食がサービスで付くらしく、麦茶をいただく。宿泊料1000円を支払い、寝る場所を指定され、なおかつ軽く周辺案内をしてくれた。色々とおいしい食べ物のスポットがあるらしいのだが、それは今日お腹を壊している旨を告げ、辞退した。
今日は雨なので相当混みそうな予感だ。



↑一番奥が俺の寝るスペース。布団三枚に4人で寝るので、まさに雑魚寝。これぞRH!なのか?


台所のコンロを使わせてもらいCOOPで手に入れたうどんを食べ、布団に戻り大量に蔵書されているマンガを適当に漁って読む。もちろんRHだからたくさんのライダーさんやチャリダーさんがいて、色々な人と話をした。RHはこういうところが良いね。


夕方、管理人さんに本屋の場所を聞き、雨の中函館駅前の駅ビルにある本屋へ。東北のツーリングマップルを購入し、RHに戻って今後のルートを何となく考えて時間をつぶした。

夜になり、みんなは函館おすすめのグルメスポットへ出掛け始めたが、俺は今日一日はお腹を休めようと決めているので近所のセイコーマートで消化の良さそうなものを数点買ってきてRHで食べた。

食後、明日の予定をどうするか考える。朝一の便で本州に渡るか、午前中ちょっと函館を観光して午後本州へ渡るか、それとも連泊して明後日本州へ渡るか・・・。
旅の間は無駄に先を急いでしまうタイプの自分なので明日ちょっと観光してから昼の便で本州に渡ろうかと考えたのだが、RHの人々に「停滞することも大切だ!」と説得され(笑)、停滞することに。
明日は函館で一日ゆっくりして、明後日出発。うん、そうしよう!北海道に来てから全然食べていない海産物も明日攻略だ!そう決めるといつもの日記のまとめ、掲示板のカキコを済ませ、同室の人たちとの会話も一段落した22:00頃に寝た。ぎゅうぎゅう詰めのRHでの一泊は、一人用テントで寝袋で寝るよりも寝苦しかった。


走行距離:46.10km(累積714.67km)
走行時間:2:53:38
平均速度:15.9km/h
最高速度:42.5km/h




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