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 03'夏ツーリング 北海道→鳥取 自転車野宿一人旅


■4日目(03/08/24/日)編

昨晩、寝る前の気温は16℃だった。かなり寒く長袖長ズボンを着て活動していたが、寝るときになって脱いだのがまずかったらしい。どうも眠りが浅く、2時、3時と寝ては何かで目覚めるの繰り返し。3:30頃になってやっと「ああ、寒くて寝れないのか」と気づき、適当にテント内に散乱していた服を着込んで再び眠りについた。

寝る直前に16℃だったんだから、深夜はもっと冷え込んだのだろう。さすが北海道・・・と体の芯まで感じさせてくれた夜だった。


着込んだ後は比較的気持ちよく寝られ、6:30ごろ日の光で目が覚める。インナーテントがクリーム色をしているのだが、日が差すとテント内が黄色い光で満たされてまぶしくて寝るところではなくなる。
モソモソとテントからはい出ると、日差しはかなり強いが風は冷たい。北海道の夏って感じの朝だ。水場で顔と頭を洗い、ちょっと伸びてきたヒゲを剃る。鏡がないので手探りな上に、使い捨てタイプのヒゲそりなので安全ガードがないからドキドキする。

「鏡がないようなところで無理して剃らなくてもいいのに」「ちょっとヒゲが伸びたくらい気にしなければいいのに」と一般的には思われるだろうが、俺の短い野宿旅の経験上、旅人は「見た目」が非常に重要だと思う。特に今回のような「自転車に生活道具一式を積んで野宿しながら旅をする」というスタイルの場合、こういう旅に全く興味のない人にとってホームレスと旅人を見分ける唯一の指標は「見た目」や「綺麗さ」だ。

旅の恥はかき捨てとは言えど、すれ違う人に「ゲッ、なんだありゃ」となるべく思われたくは無い。そんな訳で、決して整髪料で髪を整えたりまではしなくても最低限の身だしなみだけはしっかりしようといつも思っている。そんな考えからの危なっかしいヒゲそりだった。
まぁ、無精髭が似合わない顔しているからと言うのもちょっとはあるんだけどさ。


昨日セイコーマートで買っておいたバタースティックパンを適当に数本食べて朝食とし、片づけを終えて8時にグリーンヒルキャンプ場を出発する。



俺が走る道沿いに赤い旗を持った人々が延々つらなっているので何かと思ったら、こんな大会が今日あるらしかった。時間は8:30〜とある。今じゃん!

オロロンラインだけに「オロロロ?」っと焦っていたら(ギャグだけどマジ)、遙か彼方からトライアスロンの選手達がロードバイクで走ってきて、対向車線をバンバンすれ違う。トライアスロンというとスイム・バイク・ランの三種目だが、ちょうどバイクの部門と鉢合わせしたらしい。

驚いたことに、選手の大半が対向車線を走っている俺に向かって挨拶してくれる。サムアップする人、手を挙げる人など。みんな競技に必死なのに、ツーリングチャリダーを応援してくれてかなり嬉しかった。こっちも「がんばれー!」と声を上げて応援する。

道ばたで赤い旗を振ってトライアスロンレーサーを応援している地元の人たちも、半分シャレで俺を応援してくれる。人だかりの前を通過すると「ガンバレー!ガンバレー!」とあちこちから声が。正直、かなり恥ずかしいがちょっと引きつった笑顔で「どうも〜、どうも〜」と返事をしつつ先へ進む。日差しは強いがほとんど無風で勾配もない直線路だったので良いペースで先へ進んだ。

ちなみに、連なっているレーサー達を写真に納めようと良い撮影ポイントを探している間に「最後尾」と書かれた自衛隊車両が通り過ぎ、撮影失敗。残念無念。


1時間ほど走り、道の駅「おびら鰊(にしん)番屋」へ着く。近くのセブンイレブンでおにぎりを買って第二朝食にし、再び出発。



↑天気は良いが風はひんやり。超ナイスコンディションだ。トライアスロンする人たちにとってはスイムでちょっと寒い思いをするかな?


留萌(るもい)市から増毛(ましけ)町(ありがたい町名だ!)に入ってしばらく走り、「カムイエト岬」という所の駐車場でお昼休みにした。駐車場で一息ついていると、荷物を超満載したHONDA SuperCubを洗車しているおじさんを発見。話を聞くと俺と逆方向から来たらしい。海沿いギリギリを走る道で散々潮をかぶり、このままでは買ったばかりのバイクがさびだらけになってしまう・・・と洗車しているのだそうな。

色々話を聞いていると
・茨城出身
・北海道には年に三回は来る
・90ccのカブで一日最大320km走る
・北海道は何十回も来ている
という超強者。前はジェベル200に乗っていたが、壊れたのでCubを買ってツーリングに来たのだとか。「のんびりツーリングするなら90ccでも問題ないよ。何より燃費が良い。街中走ってリッター80kmは行く」とか。



↑SuperCub乗りのおじさん(おじいさん?)と一緒に。しまった、バイクが隠れてしまった・・・。


昼飯にやはりバタースティックパンを食べながらしばらく話をする。俺が「旅に出てからまだ数日なんですけど、ちょっと便秘気味なんですよね」と言うと、おじさんも旅に出て最初の数日は便秘になるそうだ。なんだ、こんな熟練ツアラーでもそうなんか。ちょい安心。

おじさんは逆方向から来たので、この先の道の状況、勾配などを聞く。一カ所「ここは結構な下り坂だったからそっちからだと登りだ。迂回した方が良い」等有益な情報をいただき、別れた。走り去っていくSuperCubの、あの独特のエンジン音を聞き、「カブもいいなぁ・・・」なんて思ったりした。


そして俺も後を追うように出発。
ここから先は、これまで平坦だった海岸線沿いの道がうねり始める。そこまできつくないもののアップダウンが連続し、また路肩の細いトンネルが何個も連続するあまり走りやすいとは言えない道になった。短いトンネルが連続しているのだが、あまり長さのないトンネルの場合照明がしっかりしていないので自転車で走っている身としては見落とされないか怖くてしょうがない。LEDテールランプを点滅モードにして、ギリギリ路肩よりを走る。

ただ、フロントにもサイドバッグをつけている身なのでl、トンネル内の反射板などにフロントバッグを引っかけると転けて後続車に轢かれマジで死ぬ。なのでトンネルの壁と「車に轢かれず、なおかつ反射板に接触しない」距離を保つのに相当神経を使う。



↑しかもそこら中のトンネルで工事しているからタチが悪い。これは片側交互通行のトンネル内で警備員にかなり長い間止められ、暇なので撮影した写真。
片側交互通行の場合自転車は車が通りすぎた後に走らされるのだが、対向車線は俺が工事区間を通過するまで通行できない。そのためこっちは必死になって漕いでなるべく迷惑をかけないようにするのだが、工事区間が1km近くあったり登りだったりすると死ぬ。「遅っせぇなぁ、車来てねーじゃんかよ。って、なんだよ自転車かよ〜」みたいな対向車線のドライバーの顔が気になるが、まぁ仕方ないと思って諦めてくれ・・・。


後ろから車が接近し、通過するたびに「うひぃ」「あひゃー」と声にならない叫び声を上げつつ、雄冬漁港付近の「雄冬冷清水」で休憩することにした。ツーリングマップルには「飲用不可」と書かれているが、ザバーっとかぶれば涼しいだろうとか事前にチェックを入れておいたところだ。

無料のキャンプ場が併設されていて、その水場で飲み水の補給をしようとすると折りたたみ自転車に乗ったおじさんと、キャンピングストーブでお湯を沸かしている女性がいた。
折りたたみ自転車のおじさんは、一日40km程度走り、疲れたら自転車を畳んでバスや電車を使って輪行するというスタイルの旅人。女性の方はNさんと言って、大阪から来た車旅をしている人だった。

「お湯が余ってるから何か飲む?」とNさんに聞かれ、ありがたく緑茶をいただく。お茶をズズっとやりながら、しばらくNさんと話をする。北海道に来てもう一ヶ月半。ワーキングホリデーなどを使ってカナダやニュージーランドへ行ったりもする国際派だ。なんか今日は旅を重ねた強者によく出会うなぁ。



↑Nさんと。逆光だったのでフラッシュ強制発光にしたが、それでも露出がうまく決まらなかったかな。ちょっと顔が暗くなってしまった。


Nさんは今日ここでキャンプをし、夕日を見るのだとか。確かにこのコンディションならさぞ綺麗な夕日が見れるだろうなぁと思ったが、今日の野宿場所を決めるにはまだ早い時間だったし、足ももうちょっと走れそうだったので先へ進むことにし、名刺を渡して別れた。

後日メールをいただいて知ったのだが、夕日はかなり綺麗だったそうだがその後変質者に遭遇し、結構大変だったらしい。自分は今まで旅をしている中、交通事故以外の身の危険を感じたことは無いので幸運なほうなのか・・・なんて考えてしまった。


そこから約1:30ほどやはりトンネル続きの道を走り、4:30に「浜益海浜公園」という所に着いた。海水浴場の脇に立派な芝生のテントサイトがあり、結構良いところだった。管理人室などが見あたらないのでデイキャンプをしている人に「ここってもしかして無料ですか?」と聞くと「無料やよー」との返事。ここで寝ること決定〜!



↑この環境で無料です。北海道はやっぱり良いね。


キャンプ場の道路向かいにセイコーマートがあったので、夕食の材料などを少し買いだしに行った。適当にカレーやチャーハンの素などを買い、駐車場へ出ると鹿児島ナンバーのCB400が。話しかけると、21歳の学生ライダーだそうな。「学生で400cc維持するの大変じゃないですか?」と聞くと、「大変ですね。でも、坂道でもうちょっとパワー欲しいときがあるので帰ったら大型取ります」だとか。俺なんか教習所の400ccを持て余してるくらいなのにすごい発言だ。俺も慣れたら「パワー無い」とか言えるようになるのかな?


キャンプ場に戻り、適当に場所を決めてテントを建てていると、先ほど無料かどうか聞いたデイキャンパーがやってきて「炭いらないかい?」と言われた。バーベキューに使った木炭がちょっと余っているらしい。炭・・・。俺はガスコンロだから使わねぇ・・・と思ったが、微妙に押しつけられてしまった。仕方ねぇ、久しぶりに火遊びでもするか・・・。



↑ちょうど太陽が海に沈むところは雲で隠れてしまっていたが、そこそこな夕日が見れたので逆光で撮影してみた。もっと低いアングルから体全体がシルエットになるよう撮れば良い写真だったかもしれないな。



↑テントを建て、コンロで米を炊く。毎回毎回同じ事をやっているが、いつもと違うのはテント脇にある紙袋。木炭、どうしよう・・・。


と、日が暮れる直前に一組のキャンパーが来てちょっと離れたところにテントを建て、バーベキューを始めた。おお、これはしめた!と駆け寄り、「炭、微妙に押しつけられちゃったんですが要りますか?」と聞くと「要らないなら燃やしちゃうよ」との返事。引き取って頂けた。押しつけたことになってないと良いのだが・・・。


いつも通りカレーとスープを作って食べ、沈む夕日を眺めながらゆっくりする。近くにコンビニがあるからビールでも買って一杯やろうかと思ったがだんだん眠くなってきて行くのがめんどくさくなったのでテントに入った。テント内でいつも通り今日のまとめと掲示板への書き込みを済ませ、寝る前にトイレに行くとソロのライダーが端の方にテントを設営しているのが見えたが、遠かったので声はかけずにテントに潜り込み、8:00過ぎに寝た。


走行距離:100.85km(累積323.19km)
走行時間:5:54:24
平均速度:17.1km/h
最高速度:43.0km/h




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