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 03'夏ツーリング 北海道→鳥取 自転車野宿一人旅


■2日目(03/08/22/金)編

朝7時起床。この旅始まって最初の一夜が明けた。モンベルのバロウバッグ#4はちょうど良い暖かさで結構安眠できた。朝食は出発前に購入してきたチョコチップスナックパン。適当に数本食べ、水を飲んで済ませた。まだ旅に出てすぐなのでそんなに食欲がない。

さっさと荷物をまとめ、ペットボトルとタンクに水を詰めた。ひとまず500mlのペットボトル2本+1リットルポリタンクで計2リットル。北海道はまだそんなに暑くないからこのくらい有れば十分でしょ。


↑XR-BAJA乗りの斧だ!広尾大佐さんにホクレンの旗の青と緑をいただく。北海道の「ホクレン」というGSで給油すると、その地域によって青・緑・黄の三色の旗がもらえる。俺はキャンピングストーブがガスなのでガソリンを使わないからもらえるチャンスがないのだが、いきなり二日目にして二色集まってしまった。ありがとうございます。


外していたサイドバッグを再び自転車にくくりつけ、テントやシュラフもしっかりゴムネットで固定。結構手間のかかる作業なのでなるべくバッグは外したくないのだが、まぁ今回は駐輪場と寝るところが離れていたから仕方ないだろう。そんなこんなで出発準備完了。


↑サガレンのバイク用ガレージ前にて。これなら雨降ったときも安心ですな。



↑出発前に斧だ!広尾大佐さんと一緒に撮影。実はこのHONDA XR-BAJAは俺が乗りたいバイクの一つなんですよね。結構高いんで最初のバイクに買うことは出来ないと思うけど・・・。


出発直前にサガレンのおばちゃんにポケットティッシュをもらう。よく考えてみるとこの旅にティッシュを持ってくるのを忘れていたので、ここでもらえたポケットティッシュはこの後かなり役に立った。

起きてから1:30後の8:30にRHサガレンを出発。あこがれていたサロベツ原野の中を走るオロロンラインに期待をふくらませつつ、出走した。
だが、折しもこの日は強烈な向かい風!道路に標示されている風速計では7m/s近い風速だ。耳元でゴウゴウと風が巻く音がし、漕いでも漕いでもまともに前に進みはしない。



↑かなり強い向かい風の中、先の見えない直線道路をキコキコ漕ぎつづける。辛い・・・。


このずーっとまっすぐ伸びるオロロンライン、途中大した集落もない区間が50kmほど続き、その間はずっと無補給だ。コンビニの一軒くらいあるだろう・・・とナメてかかっていた俺は昼前に持っていた「チョコチップスナックパン」を食べ尽くしてしまい、「腹減った・・」とつぶやきながら向かい風の中を地道に進む。
行きの飛行機で「お腹が空いたらなめてね」と言われ渡されたアメをありがたくボリボリやってひたすらしのぐ。バイクや車なら多少の空腹はしのげるし、50kmなんてたいしたことはない距離だがチャリだと違う。また、「ハンガーノック」といって、空腹で急に体が動かなくなることがあるらしい。そんなことになるとマジでヤバイ。



↑キタキツネが車に轢かれて死んでいた・・・。かわいそうだし、路肩によけてやろうかと思ったのだが、ツーリングマップルに「キタキツネはエキノコックスという寄生虫を持っていて非常に危険なので絶対にさわらないこと」と書いてあったためやめた。北海道では交通事故で死んでいる動物は多く、この旅の中で俺が数回見たキタキツネはすべて死んでいた。切ねぇ。


昼過ぎに簡単なパーキングエリアを見つけて入るも、その場で食べれそうな物は何も売っていなかった。お土産を買ってその場で開けて食うのも一手だが、高いしなんだかシャク。仕方なくトイレだけ利用して走り続ける。休憩していると天気予報通り雨がぱらつきだした。オイオイ、向かい風に加えて雨かよ。せっかく楽しみにしていたオロロンラインなのに、散々だなぁ・・・。



↑向かい風と霧雨と戦いつつ、地道に漕ぎ進む。寒い・・。


約2時間30分、、最悪のコンディションの中ひたすら走り続けていると、道ばたにドライブインがあり「ラーメン」「そば・うどん」などの旗がパタパタはためいているところを発見。どう考えても値段は高そうだったが、仕方ねぇか・・・と入って一番安いかけそば(それでも税込み577円!)を食う。この店には一人チャリダーが来ていて、話をすると俺と逆方向だった。いいなぁ追い風。よく日に焼けた爽やかなヤツだった。



↑北緯45度のモニュメント。本当なら礼文島がバックに写るはずなのだが、曇り(と言うか雨)なので見通しがきかず残念。「Nポーズで記念撮影!」とツーリングマップルに書かれているが、一人でやるのもバカっぽかったので普通に座って撮影。太って見えますが、LLサイズのレインスーツ着ているからであって、わたしゃぁデヴではありませぬぞ。


そしてさらに2時間近く走り、天塩市街に到達。セイコーマートを見つけて飛び込み、おにぎりやパンなどを買って店先でパクパクやっていた。もう時間は16時過ぎ。そろそろ今日寝るところを考えないといけない時間だ。近くにキャンプ場はあるのだがこの雨の中テントを張るのは嫌だし、だからといって寝れそうな道の駅はこの先20kmはある。RHも手頃な場所にない。うーむ、困った・・・・と考えていると、コンビニの隅で紙パック入りの日本酒を飲んでいた一人のおじいさんに声をかけられた。

「おまえさん、今日はどこで寝るのかい?」とのこと。「いやぁ、まだ決まっていないんですよね。この近くに良い場所も見つからないですし・・・」と答えると、急に「俺の家になら泊めてやるぞ」と言いだした。なぬっ、マジですか?
しばらくは遠慮していたのだが、「何も出来ないが泊めてやることは出来る。気にするな」というようなことを言われ、また雨でずぶぬれだったのでありがたくお誘いを受けることにした。

おじいさんの家はセイコーマートのすぐ裏にあり、徒歩1分ほど。
はっきり言ってあまり綺麗な家じゃなかったが、泊めてもらえるだけで御の字。あがらせてもらうと長い間掃除していないような感じがする上に、猫のおしっこのにおいがぷーんと・・・。うーむ、すごいところに来てしまったかもしれない・・・。

「お客なんだし、茶くらい入れなきゃな」とおじいさんはお茶を入れてくれた。茶渋がものすごいことになっている湯飲みだったが、ここは断れない・・とズズっと飲む。
どういういきさつからだったかは忘れたが、急におじいさんの息子、孫の話になり、色々なところからアルバムを持ってきてはこれが息子、これが結婚式、これが孫と紹介される。また、半分野良猫化した飼い猫がおり、食事の時間になるとふらっと帰ってきてニャーニャーとえさをねだっていた。「えさ食ったらまたどっかいっちまうんだ。憎たらしい猫め!」とか良いながらしっかりえさをあげているおじいさんはかわいかった。


おじいさんは75歳の元大工。暇なときは近くのセイコーマートに行って、駐車場でワンカップや紙パックの日本酒を飲んで過ごしているらしい。このセイコーマート、北からオロロンラインを走ってくると無補給地帯が50km以上続いた後に出現するコンビニのため、よく旅人が寄るらしい。その旅人の中から気に入ったヤツに声をかけ、今までに何人も自宅に泊めているそうだ。

部屋の隅に目を向けると仏壇があり、奥さんとおぼしき遺影が。詳しく聞かなかったから細かいことは分からないが、きっと寂しいのだろう。それで旅人を見つけては声をかけて泊めさせているみたいだった。簡単な宿帳のような物まで存在し、驚いた。

かなり長い間おじいさんの家族の話につきあい、その後セイコーマートで夕食を買ってきて食べていると、おじいさんが急に「じゃぁ、俺はもう寝るから。何も出来ねぇが、好きにしてくれ」と行って居間を出て行った。俺には比較的綺麗な和室を使わせてくれた。



↑これが寝かせてくれた部屋。布団で寝ても良いと言われたが、自分のがあるしわざわざ出すまでもないですよと寝袋とエアマットを出して寝た。

掲示板への書き込みや今日のまとめメモなどを書いて9:30過ぎに寝た。旅始まって二日目にして、いきなり人の家に泊めてもらうとは・・。ホント旅ってのはいろいろあるな・・・。そんなことを考えながら眠りについた。


走行距離:71.45km(累積140.11km)
走行時間:6:13:53
平均速度:11.4km/h
最高速度:21.1km/h




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