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 03'夏ツーリング 北海道→鳥取 自転車野宿一人旅


■22日目(03/09/11/木)編

朝7:00ごろ、何かの物音で目を覚ました。朝5:30に目覚ましをセットしておいたはずなのだが、すっかり寝過ごしてしまったようだ。いかん、涼しい内に距離を伸ばそうと思っていたのに・・・。辺りを見回すと昨日一緒だったチャリダーはもう既に出発してしまったようで、ホームレスっぽいおじさんと一緒の目覚めとなったようだった。
今日はしっかり走る予定だったのにとんだタイムロス。大急ぎで朝食をとって出発の準備をした。トラックの運ちゃんや通勤途中とおぼしきおじさんに話しかけられたが、いつものようにあれこれ話している余裕はなかった。こんな慌ただしい朝は函館以来だな。



↑今日の寝床。防犯の目的でベンチの下にヒップバッグをくくりつけておいたのだが、そのせいで携帯目覚ましの音が良く聞こえず寝過ごしてしまったらしい。うーん、失敗。


最初に見つけたコンビニでパンとジャムを購入してしばらく走るとコインランドリーを道ばたに発見した。記憶が確かなら後一日分服は残っているはずだが、もうすぐこの旅も終わりだしちょうど見つけたから・・・と中へ。洗濯機に服を放り込んでいたらもう着ていない服のストックが無いことに気づいた。危ない危ない、記憶違いだった・・・。
コインランドリーの中は冷房が効いていてマンガなどもおいてあるのだが、このコインランドリーには学校をサボっていると思われる女子高生が一人いて、涼しい店内でジャンプだかマガジンだかを読んでいた。そんな中、日に焼けた怪しげな男が臭い服を洗濯しに来たから・・・・かどうかは知らないが、俺が店内に入ってしばらくしたらどこかへ行ってしまった。居心地良いさぼり場所をぶちこわしてゴメンね〜と思ったが、「ちゃんと学校行きなさい!」という感じでもある。



↑コインランドリーにて。ここは洗剤自動投入だったので洗剤代がかからなくてよかった。


1時間ほどで洗濯/乾燥を終えて再出発。そして軽い峠を越えて京都府へ入った。



↑京都府舞鶴市へ!北海道ではここの舞鶴港から小樽へ行くフェリーを使って来ている人が多かったな。関西以南の人はこのフェリーが一番楽なのかな。



↑舞鶴の赤レンガ倉庫群。函館のそれと違って無理に観光地化されていなく、異国情緒漂う感じだった。


舞鶴中心部に道の駅「舞鶴とれとれセンター」という何とも言えない名前の道の駅があったので入ってパンを食べた。良く覚えていないが海産物中心の土産物屋があった気がする。あまり海の幸は好みでないので見物することなくさっさと出発・・・。
途中にダイソーを見つけたのでハイパー貧乏食料「カロリーバランス」を大量購入した。



↑これがその「カロリーバランス」。途中であったチャリダーに伝授されそれ以来小腹が空いたときの食料として重宝しているアイテムだ。カロリーメイトにそっくりの外見だが、一箱もちろん100円。味はカロリーメイトよりもおいしいと来た。ひとまず5箱お買いあげ〜。



↑ついでに紹介してしまうが、これも途中で別のチャリダーに教えてもらった後方確認用ミラー。バーエンドに取り付けるというのは目から鱗だった。付けて思ったが「もっと早く使っていれば良かった!」である。路肩を走るときの「生命の恐怖」感がだいぶ薄れる。今までは後から迫り来るトラックの音に身を縮めてやり過ごしていたが、これで距離などが分かるのでギリギリになったら端に寄ってやり過ごすことが出来る。


15:00頃だろうか、山間部をタラタラと走っていた時のこと。太陽の出ている天気なのになぜか対向車が濡れていることに気づいた。初めはあんまり気にしていなかったのだが、対向する車だけ全部濡れているのである。何か変だな・・・と思ったときは遅かった。
俺はどうやら「雨と晴れの境目」にいたらしい。前方で「サーッ」という音が聞こえたと思ったらその音はだんだん大きく「ザーッ」に変わり、音がどんどん大きくなったと思ったら目の前に強烈な土砂降りが出現した!!
土砂降りは人が走るくらいのスピードでどんどん俺の目の前に迫ってくる!もちろんレインスーツなどを取り出す暇もなく俺も土砂降りの中へ・・・。かなり大きい雨粒で一瞬にしてずぶ濡れになった俺はそれ以上防水措置を講ずるのをあきらめ、土砂降りの中走った。あきらめてしまえさえすれば雨は良いクールダウンになる。

結局雨は30分ほどで止んだ夕立だったが、体は完全にずぶ濡れ、サイドバッグもカバーをしていないので内部浸水状態だった。ため息をつきながら走り16:40に「久美浜駅」に着いた。ここはJRの無人駅だと想像していたのだが実際には「北近畿タンゴ宮津線」という妙な名前の私鉄の有人駅だった。久々の駅寝をしようと思って来たのだが失敗・・・。まぁすぐ脇にバス停があるのでそこで寝るとする。本当は温泉のあるところまで行きたかったのだがあと30kmは走らないといけないしちょっと体力・時間的に厳しかった。

駅舎が閉まる5:30まで冷房のかかった待合室でゆっくりし、明日の予定を立てる。地図で距離を測ると鳥取空港まであと120kmほど有ることが分かった。120kmだったらちょっと朝早めに出発すれば行けない距離ではない。これは明日帰路につけるか?とANAの空席照会に電話をかけると明日の鳥取→羽田行きは空席がしっかりあることが判明した。
そうと分かれば早い。今日はさっさと寝て、明日早朝から走り出して鳥取砂丘を見物した後夕方の便で帰路につく・・・。そういう予定を立てた。長かった旅ももうすぐ終わりだ。


だが、「早く寝る」という考えはある障害によって打ち砕かれてしまった・・。それは駅舎が閉まった後カレーを作って食べ、8:30ごろ「そろそろ寝るか」とバス停に移動しようとしていた時のことだった。一人のおじさんが駅にやってきて俺に「この駅は夜閉まっちゃうの?夜電車に乗りたければどうするの?」と聞いてきた。そんなの俺に聞かれてもしらねーよ!と思いつつも夜間通用門が有ることは知っていたので「そこを通って中に入るんじゃないですか?」と答える。

おじさんはどうやら地元の人らしい。夜暇だから散歩に来たようだった。ところが、俺が旅人だと知るとおじさんの目つきが変わった・・。

おじさん:あれ、君は自転車で旅をしているのかい?
俺:ええ、まぁそうですけど。
おじさん:へぇ〜、この駅に旅人が来るとは思わなかったよ!
俺:まぁ距離的にちょうど良かったんで。ええ。
おじさん:これから出発するの?
俺:いえ、今日はもう100km近く走ったんでここで寝ます。
おじさん:それは良かった!じゃぁ1時間でも2時間でも君と話していられるね!
俺:(ナニィィィィ!!!)

何でそうなる!俺はこれから寝たいんだよ!と思いつつも邪険には出来ないのでしばらくおじさんと話す。これまでの旅路のこと、これから鳥取から帰ること・・・。

おじさん:僕ね、お酒が飲めないから友達が少ないんだ。
俺:ハァ・・・。

終始こんな感じである。しかもなぜか俺の携帯の番号を聞き出そうとするではないか!なんとか「旅の間は電源切ってますからねー」とか言ってはぐらかしたが・・。
なんだかんだで1時間ほど付き合わされたが話しは終わることを知らないので、記念撮影でもしましょう!と切り出して一緒に写真を撮った。これを撮って「ではまた!」という事にしたかったのだ。


↑その謎のおじさんと一緒に。別に嫌々じゃないですよ(爆)


おじさんは俺の旅ノートに住所を書き殴って写真を送ってくれと言ってきた。それはかまわないのだが、後で恐ろしい返信が来そうでいまだに写真は送れないでいる・・・。どうしたものか。ご丁寧に携帯電話の番号まで書かれていたが、それは電話をかけろと言うことなのだろうか・・・。

俺のもくろみは外れておじさんは写真を撮った後もいつまでも話し続けようとするが、さすがに明日のことを考えるとまずい。駅の軒下からバス停にさっさと移動してバス停にマットを敷いて寝床を作り、さっさと寝る準備をした。そこでおじさんも「もう寝ちゃうの?残念だなぁ〜」とか言いながらやっと話しが終わる方向に流れ始めた。



↑おじさんと話しながら設営した今日の寝床。屋根付きで雨が降っても安心。


「すいません。明日も早いんで僕はこれくらいで・・・」と言うとおじさんも「そうだね、じゃぁ気を付けてね。おおきに」と言って夜の街に消えていった。話し好きのちょっと寂しいおじさんで、決して悪い人じゃなかったけど合うタイミングが悪かったな〜なんて思ったりした。
旅というのは、本当に色々な出会いがある。そんなことを改めて実感させられた夜だった。


走行距離:97.48km(累積2075.68km)
走行時間:5:23:04
平均速度:18.1km/h
最高速度:48.0km/h




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