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 さわやか湘南ボーイを気取れ!江ノ島ツーリング

■概略
せっかく新しい自転車を買ったのにあまり乗りに行けない。部屋の隅でホコリをかぶりかけている自転車もなんだかむすっとしているようだった。
後期の学校生活にやっと慣れ始めたある日の週末、適当に目的地を決めて家を飛び出した。

■走行ルート
自宅→小田急線大和駅→藤沢大和自転車道→江ノ島 の往復コース。
ちょっと用事を頼まれ、藤沢の親戚宅に物を届に寄ることになった。少しだけメッセンジャー気分。

■旅の記録
午前8時過ぎに出発。パンク修理道具と簡易工具、防寒着、地図、現金、水1.5リットルを装備した。
走り始めてすぐに風の気持ちよさに気づく。漕げば進むが漕がねば進まぬ。当たり前だがそれが楽しい。

機械好きの自分には変速も楽しみの一つ。土地の起伏や速度に応じて変速操作がカッチリ決まったときはなんだか快感を覚えてしまう。 あー中毒だなこりゃ。


自宅から約10kmほどで「大和藤沢自転車道」に到着。境川という川沿いに海まで続く自転車歩行者専用道だ。「境川沿い」とは書いたが、最後の数キロは引地川という川に移る。つまり、途中で一時的にブチっと切れているのだ。その間のアクセスがいまいちで、そこが欠点。


↑自転車道で一枚。歩行者にさえ気をつければがんがん飛ばせる。田園地帯で景色もそれなり。何よりも車などの脅威が無いのが最高である。

普段待ち乗りで抑えているパワーを全開にして、ガシガシ漕ぎまくる。30km/hオーバーで巡航。


途中途中で一般道と合体しているこの自転車道だが、そこもそんなに交通量が多くないので非常に走りやすい。川沿いの団地付近もチャッチャとクリア。


↑路上駐車の嵐。駐車禁止の看板がなんだか空しい。団地の人々の車だろうか・・・。完全に離合不能な一車線道路と化している。なんだかなぁ。



↑特に意味の無い一枚。今回はデジカメだからなんとなくいろいろ撮れて良い。



↑シャカシャカと自転車道を走っていると、左手になにやら異様な建物のシルエットが。
んー、何かで見たことが・・・と思ったら思い出した。某廃墟紹介サイトで見たんだ!もちろん、早速方向転換して向かう。こういう融通の利くところが自転車のいいところ。道は分からないが、建物を目印に適当に進む。


・・・・、建物を目印にして走り、案の定迷った。15分ほど住宅街をさまよう。



↑ハァハァ、やっと近づいてきたぜ!どうやらこの山の頂上にあるようだ。それにしても近づくほど怪しさ爆発してますね、これ。

さらにここから15分ほどアプローチルートを探してさまよう。適当に上り坂を見つけて「これか?」登ったら墓地だった。ゲフー。

さらにさまよって、なんだか見たことのある風景に出会う。信号待ちをしながら考えていたら思い出した。そうだ、ここ、千葉ツーリングのときに走ったことがある。ていうか横浜ドリームランド跡ジャン!
と言うことはこれは横浜ドリームランドの中なのか?こんな建物あったっけ?

横浜ドリームランド前に到着。本体は閉鎖されたものの、付属のボウリング場とフットサルコートなどはOPEN中。


↑ぬひょー、根元に着きましたよ!
それにしてもなんつーデザインだよ、これ。五重塔現代版?下の階層にはツタがはり、鳥避けネット、周りを囲む鉄壁・・・。ある意味味出すぎ!


↑その荘厳たるお姿。逆光気味の写真だが、かえってオーラを感じてしまう(笑)


↑まぁ、廃墟にありがちな看板。大抵は脅し文句だが、この建物の場合マジらしい。前に潜入した人が「セ○ムの電源が入っていた」と書いていたのをインターネットで見たことがある。


↑塀の隙間から内部を激撮。ジャングル化してます。


↑記念写真。この建物は、「ホテルエンパイア」と言う。

さて、この「ホテルエンパイア」に関して調べたことをまとめてみよう。

このホテルは、横浜ドリームランドがオープンした次の年(1965年)に営業開始。作られたのは高度経済成長期真っ只中の日本。実は霞ヶ関ビルよりも前に作られた日本の高層建築なのである。高さは80m近い。
デザインと言いなんといい、「高度経済成長期」という言葉が似合いすぎる建物。だいたい「エンパイア」って名前もどうかと。このホテルは漢字のほうが似合うだろ・・。

1965年当時、宿泊料は1万円。他のホテルが千円だったことを考えるとスーパーグレイトなお値段だった。

以後、1995年までの30年間営業を続けた。95年に営業を終了した理由は調べ切れなかったが、横浜ドリームランドの衰退とあわせて宿泊客も減少したためだと思われる。
確かにこの建築デザイン、当時はすごかったのかもしれないが現在にいたっては単なるネタ。客の減少も免れなかったのだろう。それにこの大きさで部屋が66室とは。効率悪そう。


ついでにドリームランドも少し観光。


↑元正面入り口。跡地の所有権が二転三転しているようだが、この門も朽ちるのを待つだけなのだろうか。


↑乗り物の料金表と一緒に掲示されていた「横浜ドリームランド37年間の歩み」。
いろいろなアトラクションや施設ができたり無くなったりと、経営が二転三転していた様子が垣間見れる。

壊れたままで動かないワニがいる冒険系アトラクション、汚い水の中をずるずる動く潜水艦・・・。園内も雑然としていていまいちだった。今よりは純粋だった小学生のころに行ったことがあるが、ある意味ネタ的な遊園地だった記憶がある。

一番笑えるのがモノレール線。作ったのは良いものの、設計変更で車両の速度を上げたところ橋脚が高出力の電動機の重さに耐え切れず亀裂が入り、運行停止処分を受けたまま30年以上放置されている。
実質運行期間1年ちょいの短命な路線。ずいぶん間抜けな話だ。

ただ、「東京ねずみランド」のように豪華さが無い代わりに、なんとなくいい意味でローカルな雰囲気の漂う施設。ヘイヘイおじさん等の運行者と乗客が一体となれるアトラクションなど、独特の味が出ていたことが愛された理由だったのかな。いずれにせよ、37年間おつかれさまです。



↑がらんとした駐車場とそのゲート。ゲートが開くことはもう二度とない。



↑名前を忘れたが隣にあるボウリング場はまだ営業中。こんなのぼりを見つけた。ヘイヘイおじさん、まだ健在の模様。


なんとなく感傷的になりつつ親戚宅へ急ぐ。が、自称方向音痴のエキスパートである俺は当たり前のように迷った。目印の交差点を探して8kmほど走った時点でまったく逆方向に走っていたことに気がついたときは自分の方向音痴レベルに涙が出そうになった。

そんなこんなで1時間ほどかけて親戚宅へ到着。渡すものを渡し、ついでにお湯を分けてもらってカップやきそばを作成→食べる。
ある程度腹ごしらえしたところで出発だ。


そこから30分ほどで江ノ島海岸に到着。


↑海岸で一枚。調子に乗って砂浜を走ったせいであとでとんでもないことに。


一応江ノ島を目指してきたわけだし・・・と、一応江ノ島まで行くことに。海岸線の道路は風が気持ちいい。が、車が多くて50点減点!

んで、20分ほどで江ノ島に着いたものの人・人・人・・・。なんだかごみも多く楽しいところではなかった。「江ノ島まで行った」という事実を作るため自転車でいけるところまで行って、その場で引き返してきた。ちょっと残念。


本当は「しにゃ」宅による予定だったのだがチェーンやディレイラーを見てびっくり!Oh〜砂がびっしりじゃないですか。こりゃやばい。よくよく調べるとリアディレイラーに砂が詰まってHi側2段は変速不能。ありゃー。
清掃整備に時間がかかりそうだったため、しにゃ宅訪問は止めてきた道をひき返して家まで帰ることに。



↑再び藤沢・大和自転車道。神奈川在住の人にはお勧めのサイクリングロードです。



↑途中にある木製の橋。なんと車が通れます。とはいっても3ナンバーだときついかもしれないくらいの幅だけど。


午後4時ごろ、お約束の「道に迷う」を繰り返しつつも無事自宅へ着く。急いで後輪をはずし、チェーンやディレイラーを洗浄/整備/注油。無事元に戻ってくれました。


■反省
午前中に調子に乗って重いギアを踏んだせいでひざが少し痛くなってしまった。また、書いたようにメカトラブルも発生。しかも原因は自分のせい。両方とも長期ツーリング中にやってしまうとまずいこと。以後、気をつけることにしよう。

それにしても、自転車屋さんによると「来週北海道に行くから自転車が欲しい」と言って自転車を買いに来るお客さんがいるらしい。自分の自転車の特性とかを知らないでいきなり行くのはどうかと思うが・・。


そんな感じのプチツーリング(ポタリング、とも言う)だった。自転車は楽しいです。


走行距離:84.76km
純走行時間:5時間00分
平均速度:16.9km/h
最高速度:47.5km/h


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