TOP野宿旅TT250Rで行く! 東北・北海道18日間の旅

 TT250Rで行く! 東北・北海道18日間の旅


■5日目(05/09/04)編

◆雨のスタート◆

7:00に起床。雨は夜中に強かったが、外を見るとややぱらつく程度。好天とは言えないがまずまずだ。手早く朝食を済ませ、荷物をまとめ8:40に出発した。


出発時からレインジャケット。昨日までの汗ばむ暑さとうって変わり、気温がかなり低く寒い。


道の駅「にしね」に寄ったあと給油し、いざ松尾八幡平方面へ。ガソリンはあまり減っていなかったが、この先は山深い道。事前に満タンにしておいた方がGS探しで不安な思いをする心配も無い。


◆いざ松尾八幡平へ◆


県道45号で松尾八幡平を目指す。この先は「八幡平アスピーテライン」という八幡平を横断する山岳ルートだ。



気温17℃。レインジャケットを着ていても寒い。


事前情報によれば、松尾鉱山はアスピーテラインの途中にあり、スノーシェルターの切れ目からわき道に入ることで見ることができるという。
と言っても、アスピーテラインはさすが雪国の道だけあってスノーシェルターが多く、一つ一つ確認しながら先へ進む。

いくつ目かのスノーシェルターを抜けたとき、何度もインターネットで見てきたあのコンクリートアパート郡が横目に見えた。シェルターの先をいちいち確認する手間など不要で、嫌でも見えるくらい、普通にそれはあった。


ついにやってきた、松尾鉱山跡。雨上がりの霧がどこと無く不気味な雰囲気を出している。



当然と言えば当然だけど、立ち入り禁止の看板。しかしゲートも柵も無く、どこからが「場内」なのかははっきりしない。


◆松尾鉱山跡◆

立ち入り禁止なので堂々と「入りましたと」Webに書くのもどうかとは思うけれど、自己責任にて中を見学させていただく。

「松尾鉱山について」は散々語りつくされているので詳細は他Webサイトにお任せするが、岩手県に残る鉱山跡のこと。主要産出物は硫黄で、昭和44年(1969年)閉山。かなりの僻地だが、最盛期の人口は1万5000人に及び、福利厚生施設の充実や近代的住居から「雲上の楽園」と呼ばれた。現在はその居住地等が廃墟となって残っている。


(リバーサル)
かなり密に雑草が生い茂り、場所を選ばないと建造物には近づけない。
雨上がりでもあり、足元はぬかるんでいる。


(リバーサル)
1階部分。お気に入りのショット。



コンクリートはかなり劣化が進んでおり、そこかしこがはがれている。当然天井も同じで、頭上注意。歩くと静かな建物内に乾いた音が響く。



大浴場跡。



至る所に残るBB弾の跡。弾の散乱も激しく、サバイバルゲームのフィールドとして使われているようだ。



アパートの一室へお邪魔する。構造はまさに「団地」。



間取りはあまり記憶していないが、おおむね2〜3K、トイレと押入れあり、風呂共同といったところ。当時の生活水準をあまり知らないが、広い部類なのではないだろうか?大家族だとかなり狭いだろうけども。セントラルヒーティング完備だったそうな。



台所。ダストシュートが備え付け。


ある程度内部を見学した後、全景を見るため付近の丘へ上る。坑道の崩落に伴う地面の陥没が発生しているらしく、かなり危険。



濃霧が発生し、時々視界が危うくなる。土地の陥没も怖いが、事故を起こして骨折でもしたらと思うとかなり怖いものが有る。複数での行動をお勧めしたいところだ。


(リバーサル)
松尾鉱山跡全景。アパートは12棟あるらしい。左に見える2棟は「生活学園」というこれもまた学校の廃墟。かまぼこ型の建物は体育館だ。生活学園は特に松尾鉱山とは関係が無く、鉱山跡地に建てたものの結局同じように廃墟になってしまった。
調理師養成の学校だったということは判っているのだが、詳細は不明。



鉱脈からの湧出水が強酸性で付近の川が「死の川」となったため、鉱毒水の中和施設が今でも稼動を続けている。これは沈殿池。山奥の廃墟の中、淡々と動き続けている施設だ。


(リバーサル)
異様な迫力。充分に文化遺産の価値は有ると思うが、観光地化されずひっそりとあってこそなのかもしれない。



こちらは「生活学園」の体育館内部。おびただしい数のBB弾が転がっており、サバイバルゲームのインドアフィールド化している。いくら廃墟だからって、破壊行為はどうかと。自分も不法侵入しているので人のことは言えないが。


1時間ほどあちこちを見て回っただろうか。いつまでも飽きないが、先へも進みたい。名残惜しい気持ちを残しつつも、松尾鉱山跡を離れた。

近くのドライブインで温泉卵を買い、売り場のおばさんに「生活学園」の事を聞くも良く知らないらしい。地元の人にとっては、近くにある廃ビルの一つ程度なのかもしれないな。
ドライブインの近くには資料館があり、無料で見学が可能。当時の写真や解説などが展示されており、かなり面白かった。著作権もありそれを載せることはできないが、一見の価値はあると思う。
繁栄極めた頃の写真から閉山、そして後の鉱毒問題まで、色々と考えさせられた。


◆濃霧に注意◆

アスピーテラインは雨上がりということもありそこかしこで濃霧が発生。視界は20〜30m程度となり結構怖い。


(リバーサル)
途中の展望台からは見事な雲海が。霧で視界が悪いのは怖いが、逆に神秘的な雰囲気を楽しめる天候だった。


アスピーテライン途中にある展望台兼の駐車場は有料だった上、濃霧でとても先が見通せそうに無かったので通過。アスピーテラインを一気に下りしばし北上する。
気温が低く体が冷えてきたので途中のドライブインでそばを食ったが、やたらとまずかった。俺が旅の途中で飯を食うと妙にロクなことが無い気がする・・。

アスピーテラインを降りて国道282に入ると少し町並みが見えてくるので、今夜の食料をスーパーで調達しガソリンを補給した。時間はまだ2:00。ツーリングマップルを見ると十和田湖の先にはキャンプ場が点在しているようで、観光しながら向かえばちょうどよさそう。再び東北の山深い道へと走り始める。


◆十和田湖を通過◆


十和田湖の南側、発荷峠からの眺め。綺麗な色をしていた。


十和田湖といえば乙女の像という銅像が有名らしく、まぁ一応見てみるか・・・と駐車場へ。ところが今日は日曜日、さすが東北きっての観光地だけありものすごい人だった。俺は観光バスを見に来た訳ではないので、Uターンして引き返してしまった。
一人で自由に旅する身には、峠からの静かな眺めで充分である。


◆評価が微妙な奥入瀬渓流◆

十和田湖といえば奥入瀬渓流が有名である。原生林の中を流れる美しい渓流が見所らしいが、真横を国道が通っており遊歩道も整備されていて原生林かどうかは微妙なところな気がする。

十和田湖から八甲田へ向かうR102は奥入瀬の渓流に沿って走る道であり、かなり細い道だが大きな観光バスがひっきりなしに走っている。

奥入瀬の水は澄んでおり、綺麗な緑も美しい。だが遊歩道周辺は立ち入り禁止の札があるにもかかわらず柵を乗り越えて写真撮影をする観光客だらけで、悲しい気持ちになってしまったのであった。


(リバーサル)
美しい奥入瀬の流れと・・


美しくない観光客。入るなと書いてあるだろーが。


◆予備知識0で行った酸ヶ湯◆

地図を見るとここから30km程の所に温泉併設のキャンプ場がありそうだった。時間は3:30を過ぎた頃で、今日はそこを目標にすることにし出発。狭く寂しい感じのする十和田ゴールドラインを走り再び標高を上げていく。

1時間ほどで酸ヶ湯(「すかゆ」であり、「すがゆ」と濁らない)に到着。林間コースは曲がりくねっているため地図で見るよりずっと距離があり、思いのほか時間がかかってしまった。
キャンプ場はこの温泉の近くにあるらしいが、付近を走り回っても見つからない。温泉の人に聞いてみると「今改装中で閉まってるよ」と衝撃のコメント。もう日はほとんど暮れており、今更焦っても仕方ないのでとりあえず酸ヶ湯温泉に入り、八甲田近くのキャンプ場をどこか探すことにした。今日は色々と盛りだくさんだったが、さらに夜まで走り続ける事になるようだ。

この酸ヶ湯温泉、全国的に湯治で有名な温泉らしく、混浴と巨大なヒノキ風呂(千人風呂というらしい)が特徴。そんなこと露知らず、銭湯代わりに入ったので驚いてしまった。もちろん洗い場どころかお湯の出るシャワーも無い。

お湯は白濁した硫黄泉でまさに温泉といった感じ。千人は絶対無理だがかなり広いヒノキ風呂と古い建物も見ものだった。

隣のキャンプ場で泊まれるならゆっくり温泉を楽しむところだがそうも行かず。冷えた体を温め、30分ほどで出発した。


◆モヤヒルズオートキャンプ場◆

実は酸ヶ湯から青森方面に向かう道の途中に「モヤヒルズ」という大きなオートキャンプ場が有るのは知っていたのだが、高額なのは目に見えており選択肢から外していた。しかしもう日は完全に暮れ、えり好みする気も起きない。
20kmほどバイクを走らせ見つけたそこは、思ったとおりの綺麗に整備されたキャンプ場。ところが、ずいぶん綺麗な受付に恐る恐る値段を聞くとフリーサイトなら500円、しかも追加料金350円で併設のスパランドが利用可能だという。

心配して損したが、とりあえず500円を払って入場。誰も居ない広大な芝生のテントサイトは雑草もほとんど無く、炊事場も綺麗。これで500円はすごい。



とりあえず急いで米を炊きカレー。もう今日は疲れた。付け合せは無しでカレーのみにする。


道はほとんど山道だった上に松尾鉱山で歩き回ったため、だいぶ疲れた一日だった。酸ヶ湯は洗い場が無かったので体が硫黄の匂いでプンプン。匂いがシュラフについてしまうが、まぁ仕方ないだろう。

空は雲がかかっており、夜の雨が心配。念のためブルーシートをテントにかけて9:30に眠りに着いた。


走行距離:240km(累積1090km)
出費:2720円(累積21579円)



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